ひとつのソフトウェアコンポーネントが多くの開発者によって変更されると、品質に悪い影響を与えると経験的に感じている。設計に一貫性が失われることや、知識の浅い状態で変更することによるバグ混入の可能性が高まるからだ。 2011年9月に公開されたマイクロソフト社の調査結果、"Don’t Touch My Code! Examining the Effects of Ownership on Software Quality" は、この「コードのオーナーシップはソフトウェアの品質を左右する」という経験則を裏付けるものだった。全体のコミット数のうち5%未満の貢献にとどまる開発者が多いコンポーネントは、リリース前後における故障が増加するというものだ。 本稿では、このマイクロソフトによる調査結果を紹介し、それを踏まえた上で、ソフトウェアプロダクトの品質悪化を抑えるための組織やプロセス、アーキテクチャについ