シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 (ハヤカワ文庫FT) 作者:ジェイムズ ラヴグローヴ早川書房Amazon映画も含めたシャーロック・ホームズ関連作品はコナン・ドイルによる正典の他に数多くのパスティーシュ、クロスオーバー、二次創作で溢れかえっているが、その流れに新たに連なっているのが『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』だ。ラブクラフトによって打ち立てられた巨大な世界「クトゥルフ神話」、そしてそこに現れる古き神々とホームズが出会う様を描き出す、大胆不敵なマッシュアップである。 ホームズの持ち味といえばその鋭い観察眼と明快なロジック、腕っぷしが必要になるときはバリツによって事件を解決に導いていくところにあるが、クトゥルーの神々には当然ながらロジックもバリツも通じない。理屈が通じない神々と出会った時、ホームズとワトソンはどのような反応を返すのか──!? と、正直座組を聞いた段階でワ