人間は細胞の集合体です。その細胞の中には細胞核があり、細胞核には遺伝情報が詰まったDNAがあります。自分の体の情報を子孫に受け継がせるためにDNAは重要な存在です。 DNAは細胞核以外にミトコンドリアの中にも少量存在します。ミトコンドリアは、細胞質にある細胞小器官で呼吸に関係した器官です。また、生命活動を行うために必要なアデノシン三リン酸(ATP)を産生するエネルギー工場の役割も果たしています。 このミトコンドリアも、自分の両親から受け継いだのだろうと思うでしょうが、実は、ミトコンドリアは母系遺伝しかしないので母親からしか受け継ぐことができません。 ミトコンドリアの多様性は失われていく? ミトコンドリアが、母親からしか遺伝しないのであれば、時間の経過とともにミトコンドリアの多様性が失われていきます。 これについては、分子古生物学を専門とする更科功さんの著書「化石の分子生物学」で興味深く解説