見逃してもいい小さな綻びが、後に取り返しのつかない大惨事に発展することが多々ある。それを未然に防ぐためには何をすべきだろうか。ニューヨーク元市長に学ぶ。 最近、ある大手メーカーのミドルの方とお会いした。彼は人事・労務畑でキャリアを積んできて、現在も関連する部門で仕事をしている。大学も含めて日本の組織には「なぜ、こんなルールがあるのだろうか?」と首をかしげたくなるものが少なくない、といった類の話をしていた際のことだった。彼は次のように語った。 「わたしは社内の嫌われ者なのですよ。労務に関するトラブルが発生したときには、当該のトラブルについて大変面倒な事実の確認を微に入り細に入りしなくてはいけません。工場内の道路でのスピード違反の取り締まりも大切な仕事です。違反した従業員の上司に対して違反者への指導を言い渡す役目も担っています」 一般道の話ではない。広大な工場の敷地に立派な道路があり、スピード