自動車メーカーが進めるEV化で、モーターの開発競争が激化している。競争軸は、小型・軽量・高効率に加え、コストとノイズ・振動の大幅な低減だ。インバーターや機構部を統合した「イーアクスル」と呼ばれる機電一体モジュールでの競争が進む。電気と機械との複雑で多様な組み合わせを最適化するため、モーター自身の仕様は見えにくくなる方向にある。 「2~3年前までほとんどなかったモーター関連の調査依頼が、直近では大半を占めるようになった」。モーターへの関心の高まりに驚くのは、自動車分野の調査を担うマークラインズの執行役員 コンサルティング事業部長の吉川正敏氏だ。 ディーゼルエンジンの排ガス規制を不正に逃れた「ディーゼルゲート事件」が2015年に発覚したのを機に、大手自動車メーカー各社が主力ラインアップの1つとしてEV(電気自動車)開発を本格化させたことによる。自動車用モーターは、タイヤを回す主機向けや、ブレー