――誰が教えたわけでもないのに私たちには、「これは男らしい」「これは女らしい」というイメージの共有があります。こうしたことが起こるのはなぜですか。 田中俊之(以下敬称略) 基本的に、いまの日本では「男は男に生まれたら男らしく」「女は女に生まれたら女らしく」というのが社会の“常識”として共有されているから、ということに尽きると思います。ある程度、他人に好意を抱く年齢になるとそこに「男は女が好き」「女は男が好き」という“当たり前”が加わっていく。 うちは5歳と1歳の息子がいるのですが、例えばアニメ「サザエさん」を一緒に見ていて驚くことがあります。いまだに、波平が「母さん、新聞」と言ったらフネが「はい、はい」と言って新聞を持ってくるんですね。それから、先日見た放送で言えば、フネが自宅にいないとカツオも波平も何も用事がないのに、「母さんいないの?」となる。「主婦は常に家族のために体を空けて待機して