各家々の軒先には提灯がぶら下がり、庭で花火に興じる子供たち。 虫の声よりもやはり蛙の鳴き声の方が未だ勢力があるそんな時期。 用事でこんな田舎まで来ることになるとは思ってもいなかったが、何か、こう自分が子供の頃の実家を思い出すような景色に風情を感じている。 かつ、知らない土地を歩くのは気分が良い。 鈍行を乗り継いで5時間。たまっていた文庫を読むには丁度良かった。 気温にして25℃くらい。 これであれば過ごし易いはずだ。 山から降りる風と花火の音が心地好く、また花火の煙の臭いも懐かしさを感じさせる。 途中何度か道に迷いながらも神社の看板が見えて来た。 目的地はもうすぐか。 この先に神社があり、その数軒奥に友人の実家がある。私は「暇なら家の実家に遊びに来る?実はg13にお願いしたいことがあるんだ。」と言われ、お願い事の内容よりも、この休み中の時間が潰れることが脳内で優先された私は、図々しくもそれ