東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地裁は27日、大会組織委員会の元理事に対する贈賄罪で起訴された出版大手「KADOKAWA」の元会長・角川歴彦(つぐひこ)被告(79)の保釈を認める決定を出した。角川元会長は2億円の保釈保証金を現金納付し、昨年9月の逮捕から226日目となる同日夜に保釈された。検察側は決定を不服として準抗告したが、地裁の別の裁判官らが退けた。 角川元会長は午後9時40分ごろ、車いすで東京拘置所から出て、迎えの車に乗り込んだ。 角川元会長は「汚職に関与したことは一切ない」と起訴内容を一貫して否認してきた。今回の保釈請求は4回目で、地裁は公判前整理手続きで争点整理が進んだことなどを考慮して保釈を認めたとみられる。 計15人が起訴された一連の事件で勾留が続いていたのは角川元会長だけだった。起訴状によると、角川元会長は組織委元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴