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もしかしたら、誰よりも厳しいまなざしでこの7年8カ月を見てきた人かもしれない。安倍晋三前首相の母校・成蹊大の加藤節・名誉教授である。政治哲学の泰斗は、悲しげに元教え子の政権を「落第」と評するのだ。なぜ落第なのか。そして、その政権が長く続いたのはなぜか。初秋の一日、警鐘に耳を傾けた。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 法に基づく支配を破壊した政権 ――個別の政策の評価はさまざまですが、この7年8カ月を、少し大きな視点で考えたいと思います。日本政治にとって、安倍政権とはどんな存在だったと考えていますか。 ◆端的に言えば、法に基づく支配と法的安定性を破壊し、政府の暴走が始まった、という意味で、歴史に残る内閣です。 ――といいますと? …
「緊急事態」は国民の権利の危機 東京・吉祥寺郊外の緑豊かなキャンパスに、春の風が吹いていた。だが、白いマスク姿で現れた成蹊大名誉教授(政治哲学)加藤節さん(75)の表情は晴れない。同大出身の“教え子”安倍晋三首相が、新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、全国の小中高校に一斉休校を求めた対応に、警戒感をあらわにする。「この措置が改憲に向けた『実験』の可能性もある。緊急事態を宣言したら国民はどう動くのかを確かめるためのね」 その疑念を裏付けるかのように、新型コロナ対策と改憲論を結び付けた自民党重鎮の発言が続いた。伊吹文明元衆院議長は「緊急事態の一つの例。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいい」と語り、物議を醸した。
このほど政治哲学における一大古典『リヴァイアサン』が新たに完訳されました。訳者の加藤節氏はジョン・ロック『統治二論』(岩波文庫)の翻訳でも知られています。そのロックにとり、トマス・ホッブズはいかなる存在であったのでしょうか。政治思想史的観点から見つめます。 このたび、「ちくま学芸文庫」にホッブズの『リヴァイアサン』の拙訳を入れていただいた。ロックの『統治二論』の邦訳に続く今回の訳業を通じて、二人の思想家の関係をめぐって改めて強く感じたことを記してみたいと思う。 オックスフォード時代のロックは、『リヴァイアサン』を熟読していた。1658年以降、『リヴァイアサン』が「ほとんど常に」ロックの机上にあったとの親友J・ティレルの証言がそれを示す。では、『リヴァイアサン』は、ロックに何をもたらしたのだろうか。『リヴァイアサン』の影に強迫観念のようにつきまとわれたロックは、その影を追い払うための知的格闘
当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。 出遅れおじさんです。 【おことわり】 「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。 本日(3月28日)のモーサテ「プロの眼」のゲストは東短リサーチの加藤出氏、テーマは「大規模緩和が招く2つの支配」でした。 加藤氏の主張は中央銀行が大規模緩和によって2つのドミナンスに陥っていると言うことでした。 「ドミナンス」と言う言葉は「優越、優勢」という意味ですが、加藤氏は中央銀行が2つのドミナンスに支配されている(従わされている)という主旨で使用しています。 【第一は「金融ドミナンス」】 加藤氏は、1998年から2023年までの25年間で主要中央銀行、特に日銀の保有資産が緩和により(ECBやFRBに対して)劇
加藤 節(かとう たかし、1944年〈昭和19年〉5月24日 - )は、日本の政治学者。成蹊大学名誉教授・法学部特任教授。専門は、政治哲学、西欧政治思想史。ジョン・ロック研究者として知られるのみならず、近年では南原繁や丸山眞男に代表される戦後日本における批判的知識人の思想史的系譜に関する研究でも有名。また、安倍晋三の恩師としても知られている。 経歴・人物[編集] 長野県生まれ。1965年4月、東京大学文科一類に入学。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科を修了。福田歓一の下で政治哲学を学ぶ。1974年4月、成蹊大学法学部講師。翌75年4月、同大助教授。76年、東京大学から法学博士の学位を取得。論文の題は『17世紀政治理論における「宗教批判」の展開:社会契約説と宗教理論』であった[1]。1982年、成蹊大学教授。1990年、成蹊大学アジア太平洋研究センター所長に就任。2002年には
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