1979年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。琉球大学人文社会学部准教授。主要著作に、『米国と日米安保条約改定―沖縄・基地・同盟』(吉田書店、2017年)、『米国アウトサイダー大統領―世界を揺さぶる「異端」の政治家たち』(朝日選書、2017年)、『日米地位協定ー在日米軍と「同盟」の70年』(中公新書、2019年=第41回石橋湛山賞受賞、沖縄研究奨励賞など)。 「風」が吹かなかった選挙 1月16日の名護市長選告示日。土曜の昼間だというのに、同市の中心街には人ひとりいなかった。飲食店はどこも「当分テイクアウトのみ」の張り紙を出している。昨年12月から新型コロナウイルスのオミクロン株が沖縄に広がる中、名護市は多い日で県全体の1割弱の感染者数が出るほど状況が深刻だ。少し行くと、行き場のない若者たちがマスクもせずコンビニの前にたむろしていた。道の駅まで行けば、感染拡