この記事の3つのポイント 楽譜作成ソフトの定番「Finale」が開発終了を宣言 完全な互換性をソフト間で維持するのは難しい データを守っていくには社会の意識による後押しが必須 今回は古(いにしえ)の「日経バイト」誌の連載「混沌の館」(ジェリー・パーネル)を気取って――。 業界に衝撃! の開発終了 2024年8月26日、音楽の世界に激震が走った。米MakeMusic(メイクミュージック)が楽譜作成ソフト「Finale(フィナーレ)」の開発を終了すると発表したのである。 ……という話に「それは大変だ!」と反応できる人は、日経ビジネスの読者では少数派だろう。一つ一つ説明していこう。 Finaleは、パソコンで楽譜を作成するソフトだ。「楽譜のワープロ」と考えてもらえれば分かりやすいだろうか。単に楽譜を書いて電子ファイルとして保存し、印刷できるだけではなく、楽譜通りに音楽を演奏することもできる。 楽