空間を“召喚”できる「バーチャルプロダクション」が映像業界に浸透してきている。映画やCMで使われてきた手法だったが、ここ最近ではテレビドラマや特撮番組など、毎週放送するテレビ番組でも使われるようになってきた。 バーチャルプロダクションは、LEDを敷き詰めた巨大スクリーン(LEDウォール)を背景として使うことで、あたかもその空間で撮影したかのような表現が得られるのが特徴。LEDは輝度が高いため、グリーンバックでは難しい反射、映り込みも再現できる。天候やスケジュールに左右されやすいロケ撮影よりも制約が少ないため、コロナ禍を経て一気に拡大した。 バーチャルプロダクションを拡張したシステムに「インカメラVFX」と呼ばれるものもある。カメラの動きをトラッキングし、ゲームエンジン「Unreal Engine」で作成した仮想空間内のバーチャルカメラとリンク。バーチャルカメラが捉えた仮想空間の映像はLED