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山下裕毅の検索結果41 - 80 件 / 203件

  • 生成AIに“アスキーアート”入りプロンプト入力→有害コンテンツ出力 米研究者らが新手の脱獄法発見

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ワシントン大学などに所属する研究者らが発表した論文「ArtPrompt: ASCII Art-based Jailbreak Attacks against Aligned LLMs」は、大規模言語モデル(LLM)がアスキーアートを正しく認識できないという脆弱性を利用して、LLMに有害なコンテンツを出力させる新しいジェイルブレーク(脱獄)攻撃を提案した研究報告である。 これまでにも、爆弾の作り方やIDの盗み方、人種差別的なジョーク、詐欺の方法などの有害なコンテンツをLLMに出力させる悪意ある攻撃が提案されてきた。 (関連記事:「銀行を襲う

      生成AIに“アスキーアート”入りプロンプト入力→有害コンテンツ出力 米研究者らが新手の脱獄法発見
    • コインで表か裏が出る確率は“50%ではない?” 49人の研究者が35万回投げて検証 肝は投げる親指の動き

      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2

        コインで表か裏が出る確率は“50%ではない?” 49人の研究者が35万回投げて検証 肝は投げる親指の動き
      • 他人がGPT-4とやりとりしたテキストを盗む攻撃 成功率50%以上 イスラエルの研究者らが発表

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 イスラエルのネゲヴ・ベン・グリオン大学に所属する研究者らが発表した論文「What Was Your Prompt? A Remote Keylogging Attack on AI Assistants」は、大規模言語モデル(LLM)を活用したAIチャットbotが生成するテキスト回答を復元するサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。攻撃者は、AIチャットbotが応答する際の通信データを傍受することで内容を復元して他人のやりとりを盗み出すことができる。 攻撃方法としては、まずユーザーとLLMの間の暗号化されたパケット通信を傍受するところか

          他人がGPT-4とやりとりしたテキストを盗む攻撃 成功率50%以上 イスラエルの研究者らが発表
        • “牛乳”でマザーボードから「金」を取り出す方法 純度90%以上金塊22カラット相当の抽出に成功

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 スイスのETH Zurichに所属する研究者らが発表した論文「Gold Recovery from E-Waste by Food-Waste Amyloid Aerogels」は、牛乳を利用して古いコンピュータのマザーボードなどの電子廃棄物(E-waste)から金やその他の金属を抽出する方法を提案した研究報告である。 廃棄したコンピュータのマザーボードには、金やその他の重金属が豊富に含まれており、金を回収する需要は着実に増えている。これらの貴重な金属を回収するための方法が開発されており、現在の金回収方法には、活性炭を使用した吸着法などが一

            “牛乳”でマザーボードから「金」を取り出す方法 純度90%以上金塊22カラット相当の抽出に成功
          • 動いている人が見ると“モザイク”、止まると“モザイクが取れる”技術 東工大と青学が開発

            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京工業大学と青山学院大学に所属する研究者らが発表した論文「動いている人の視線だけを惹きつけるモザイク投影手法」は、動いている人が見るとモザイクがかかったように認識され、止まっている人が見ると通常の画像として認識される視線誘導手法を提案した研究報告である。 公共スペースで歩行者に対して広告を提示する際、目指すのは、その広告の前を素早く通過する間に、立ち止まらせて視線を瞬時に指定の箇所へと導くことである。 この目的のため、研究では動いている人にのみ影響を与え、静止している人には作用しない新しい視線誘導手法を提案している。この手法は、画像の特定

              動いている人が見ると“モザイク”、止まると“モザイクが取れる”技術 東工大と青学が開発
            • 毛がないのに“モフモフ” 毛並みをなでる感触を再現できる装置 東大「FurAir」開発

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この手法は「Pseudo-haptics」と空中超音波触覚フィードバックを組み合わせて、柔らかい毛並みの質感を再現する。Pseudo-hapticsは毛並みをなでる際の水平方向の抵抗を模倣し、これは実際の手の動きとVR環境内で視覚的に表現される動きとの間に相違を生じさせることで達成できる。 空中超音波触覚フィードバックは手に対する垂直方向の反応力をパラメトリックスピーカーの配列から発せられる超音波の刺激強度で提示。この方法により、システムの出力パターンを調整するだけで、さまざまな毛並みの触覚を多様に再現できる。 フィードバックの位置は定義の

                毛がないのに“モフモフ” 毛並みをなでる感触を再現できる装置 東大「FurAir」開発
              • 中国語のスマホ標準キーボードアプリでキー入力が盗まれる脆弱性 攻撃対象は“10億人規模”と試算

                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 カナダのトロント大学にある研究機関「Citizen Lab」は、中国で広く利用されているキーボードアプリに関する最新の調査報告を公開した。報告書によると、中国の主要なクラウドベースのスマホキーボードアプリに脆弱性が認められたという。この脆弱性が悪用されると、ユーザーが入力した内容(キーストローク)が盗まれる可能性があるとしている。 今回問題になったのは、中国語の入力方式として主流のピンイン(ローマ字入力)に対応したキーボードアプリだ。これらのアプリの多くは、入力した文字列をクラウドサーバに送信し、変換候補を取得する「クラウドベースの予測変換機能」を備え

                  中国語のスマホ標準キーボードアプリでキー入力が盗まれる脆弱性 攻撃対象は“10億人規模”と試算
                • Wi-Fiからスマホの入力キーを盗む攻撃 他人のパスワード取得に成功 中国チームなどが発表

                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の湖南大学、シンガポールの南洋理工大学などに所属する研究者らが発表した論文「Password-Stealing without Hacking: Wi-Fi Enabled Practical Keystroke Eavesdropping」は、Wi-Fiハードウェアをハッキングすることなく、Wi-Fi経由でスマートフォンのキーストロークからパスワードを特定する攻撃を提案した研究報告である。 この方法は、ターゲットとなるスマートフォンと、そのスマートフォンが接続しているアクセスポイントとの間のWi-Fi信号を傍受し、その信号からキー入力

                    Wi-Fiからスマホの入力キーを盗む攻撃 他人のパスワード取得に成功 中国チームなどが発表
                  • 全スマホをタッチ決済対応にする方法 カメラでNFCリーダーを動画撮影すると決済完了

                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 香港理工大学に所属する研究者らが発表した論文「MagCode: Bringing NFC Feature to All Smartphones」は、近接無線通信(NFC)に非対応のスマートフォンでも、カメラでNFCリーダーを動画撮影するだけで決済が可能なシステムを提案した研究報告である。 NFCはスマートフォンでの支払いの主流技術となっている。この技術はApple PayやGoogle Payなどのスマートフォンと、店舗の決済端末との間で短距離のデータ交換を行うもので、非接触型クレジットカードの普及と共に多くの店舗でのNFC利用が増えている

                      全スマホをタッチ決済対応にする方法 カメラでNFCリーダーを動画撮影すると決済完了
                    • “数学特化”の大規模言語モデル「WizardMath」 米Microsoftなどが開発 Llamaモデルを強化

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Microsoftと中国科学院に所属する研究者らが発表した論文「WizardMath: Empowering Mathematical Reasoning for Large Language Models via Reinforced Evol-Instruct」は、数学的推理能力を強化するモデルを提案した研究報告である。このモデルは、オープンソースの事前学習済み大規模言語モデル(LLM)である「Llama-2」に対して適用することで実現する。 米MetaのLlamaモデルシリーズは、オープンソース革命を引き起こし、クローズドソースのL

                        “数学特化”の大規模言語モデル「WizardMath」 米Microsoftなどが開発 Llamaモデルを強化
                      • 30秒以内に部屋の“隠しカメラ”をスマホで見つける技術 発見精度95%以上 中国などが開発

                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の武漢大学やシンガポールの南洋理工大学などに所属する研究者らが発表した論文「LocCams: An Efficient and Robust Approach for Detecting and Localizing Hidden Wireless Cameras via Commodity Devices」は、スマートフォンを使用して、隠しワイヤレスカメラの検出と位置特定を行う手法を提案した研究報告である。 ユーザーはスマートフォンを検出器として、体の正面に両手で固定して持ち、約5秒間静止した後に右方向に回転する動作を4回実行する。こ

                          30秒以内に部屋の“隠しカメラ”をスマホで見つける技術 発見精度95%以上 中国などが開発
                        • LLMが別のLLMを何度も改善 より良い回答を出す最適化手法をAIが発見する技術 Sakana AIなどが開発

                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 AIベンチャーのSakana AI(東京都港区)やFLAIR、英ケンブリッジ大学、オックスフォード大学に所属する研究者らが発表した論文「Discovering Preference Optimization Algorithms with and for Large Language Models」は、人間の介入を最小限に抑えて新しい最適化アルゴリズムをAIによって発見する手法を提案した研究報告である。 この手法では大規模言語モデル(LLM)がLLMを利用して自己改善し進化していくことを提案しており、研究者らは「LLM^2」(「LLMの2乗」

                            LLMが別のLLMを何度も改善 より良い回答を出す最適化手法をAIが発見する技術 Sakana AIなどが開発
                          • 母語が“英語じゃない研究者”のデメリットはどのくらいある? 900人以上の科学者を調査

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 科学分野において、英語を母語としないことによる不利益は、論文の読み書きの困難さから国際会議への参加率の低下までさまざまな問題が知られている。しかし、英語を母語としない研究者のキャリア形成における言語障壁の影響を具体的に定量化した研究は、ほとんど存在しない。 この研究では、言語的・経済的背景の異なる8カ国(バングラデシュ、ボリビア、イギリス、日本、ネパール、ナイジェリア、スペイン、ウクライナ)の環境科学者908人を対象に調査を行い、5つの科学活動(論文の読解、執筆、出版、普及、学会参加)を英語で行うために必要な労力を比較した。 調査の結果、英

                              母語が“英語じゃない研究者”のデメリットはどのくらいある? 900人以上の科学者を調査
                            • 道路標識に「人に見えないレーザー」照射 自動運転車を欺く攻撃 米国と日本の研究者らが発表

                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米カリフォルニア大学アーバイン校、米フロリダ大学、米Toyota InfoTech Labs、電気通信大学に所属する研究者らが発表した論文「Invisible Reflections: Leveraging Infrared Laser Reflections to Target Traffic Sign Perception」は、赤外線レーザーを用いて交通標識にスポット光を照射し、自動運転車の認識システムを誤認させる攻撃を提案した研究報告である。 自動運転車では、車に設置したカメラが捉えた映像を深層学習モデルで分析し、道路標識を識別する。

                                道路標識に「人に見えないレーザー」照射 自動運転車を欺く攻撃 米国と日本の研究者らが発表
                              • 「素数」はランダムではない 出現周期に現れる“偏り”とは? 2016年発表の論文を紹介

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米スタンフォード大学と米タフツ大学に所属する研究者らが2016年に発表した論文「Unexpected biases in the distribution of consecutive primes」は、長年、ランダムだと考えられてきた素数の出現パターンに、予想外の規則性が存在することを発表した研究報告である。 素数は、1と自身以外で割り切れない数であり、他の全ての数は素数の積で表現できるため、数論の基礎を理解する上で極めて重要である。しかし、ある数が素数であるかどうかを予測する方法は存在

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                                • “ビールは冷やす”となぜうまい? 中国の研究者らが調査 アルコール度数と温度の関係に迫る

                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 酒は数千年前から人類が愛する嗜好品の一つだ。キリンホールディングスによると、最古の酒の一つとされうワインは約7000年前から、ビールは約5000年前から作られているという。これらのアルコール飲料の主成分はエタノールと水である。 さまざまな種類があるアルコール飲料だが、白ワインやビールは冷やして飲み、中国でつくられる白酒は温めて飲むのが一般的だ。これは長い歴史の中で経験則として人類の中で引き継がれているが「なぜビールは冷やすとおいしいのか?」のように、度数と温度の関係についての科学的な説明には曖昧な部分が多かった。 そこで研究チームでは度数と温度の関係に

                                    “ビールは冷やす”となぜうまい? 中国の研究者らが調査 アルコール度数と温度の関係に迫る
                                  • 生徒「筆記試験にChatGPTを使ってもよいですか?」 教授「いいよ」 ブラジルの大学が検証 結果は?

                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この研究では、2023年にブラジルのラヴラス国立大学で行われたHCI(Human-Computer Interaction)の筆記試験において、ChatGPTの使用が許可されたことが背景にある。このHCIコースでは、5年以上にわたり筆記試験で教科書やスライドなどの資料を参照することが許されている(オープンブック試験)。研究の目的は、筆記試験においてChatGPTを学生支援ツールとして使用することの利点と欠点を探求することである。 研究では、試験中に学生がどのようにChatGPTを利用し、それが学生の学習プロセスや理解度にどのように影響を与え

                                      生徒「筆記試験にChatGPTを使ってもよいですか?」 教授「いいよ」 ブラジルの大学が検証 結果は?
                                    • 空気中の“1点”だけに音を生み出すスピーカー 中国の研究者らが開発

                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の清華大学や上海交通大学などに所属する研究者らが発表した論文「Meta-Speaker: Acoustic Source Projection by Exploiting Air Nonlinearity」は、超音波を使って何もない空気中の1点だけにに音を作り出すスピーカー・システムを提案した研究報告である。このシステムでは、音が鳴る範囲や場所をきめ細かくコントロールできる。 音場を操作する方法として、音波の動きを制御する方法が存在する。この操作は通常、空間に配置された複数のスピーカーを必要とする。音波の組み合わせを工夫することで、1つ

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                                      • ワイヤレス充電器を乗っ取り、スマホを過剰加熱→破損させるサイバー攻撃 米研究者らが開発

                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米フロリダ大学とセキュリティ企業CertiKに所属する研究者らが発表した論文「VoltSchemer: Use Voltage Noise to Manipulate Your Wireless Charger」は、電源アダプターからの電圧ノイズを悪用してワイヤレス充電器を乗っ取り、充電中のスマートフォンや周囲のデバイスに対してさまざまな攻撃を行う手法が提案した研究報告である。スマートフォンへの過剰な加熱を引き起こし、それによってデバイスを破損させることもできる。 ワイヤレス充電器は、電磁場を利用して一方のデバイスから別のデバイスへエネルギ

                                          ワイヤレス充電器を乗っ取り、スマホを過剰加熱→破損させるサイバー攻撃 米研究者らが開発
                                        • AIが生成する画像を「ネコ」にするサイバー攻撃 絵師らを守る技術「Nightshade」 米シカゴ大が開発

                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米シカゴ大学に所属する研究者らが発表した論文「Nightshade: Prompt-Specific Poisoning Attacks on Text-to-Image Generative Models」は、生成AIモデルの無断学習を抑止するために、学習されても予期せぬ動作をAIモデルに生成させる毒入りデータに画像を変換するツールを提案した研究報告である。 この攻撃は「Nightshade」と名付けられ、約200枚の細工画像をモデルの学習データに紛れ込ませるだけで、特定の単語に関連する画像生成を高確率で操作できてしまう。 攻撃者は特定の単

                                            AIが生成する画像を「ネコ」にするサイバー攻撃 絵師らを守る技術「Nightshade」 米シカゴ大が開発
                                          • “AI生成の文章/画像だけ”でデータを学習する手法 人間が作るものは一切使わず GoogleとMITが開発

                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Google Researchや米MIT CSAILに所属する研究者らが開発した論文「Learning Vision from Models Rivals Learning Vision from Data」は、合成画像と合成キャプションから視覚表現を学習するアプローチを提案した研究報告である。「SynCLR」と呼ばれ、実データを使用せずに、最先端の視覚表現学習手法と同等の視覚表現を学習できる。 表現学習は、生データ(多くの場合ラベルなし)から情報を抽出し整理するプロセスである。現在の最も優れた視覚表現学習手法は、大規模な実データセットに

                                              “AI生成の文章/画像だけ”でデータを学習する手法 人間が作るものは一切使わず GoogleとMITが開発
                                            • “どの次元”でも車輪のように転がる“球以外の図形” カナダの数学者らが発見 体積は常に球より小さい形状

                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 カナダのマニトバ大学などに所属する研究者らが発表した論文「Small volume bodies of constant width」は、どんな次元でも一定の幅を保ちながら、球よりも小さい体積を持つ図形を発見した研究報告である。 「定幅図形」とは、円や球のように転がした時に高さが変わらない(どの方向から見ても幅が同じ)図形である。円や球とは別の例として、曲線の辺を持つ「ルーローの三角形」が挙げられる。またイギリスでは、20ペンスや50ペンス硬貨の形状として知られる正七角形の曲線版も同様の特性を持つ。定幅図形であることにより、これらの硬貨はどの方向から挿

                                                “どの次元”でも車輪のように転がる“球以外の図形” カナダの数学者らが発見 体積は常に球より小さい形状
                                              • 職場の「一部ネット接続できない規制PC」から機密データを盗むサイバー攻撃 米研究者らが発表

                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米ボイシ州立大学などに所属する研究者らが発表した論文「Exploiting CPU Clock Modulation for Covert Communication Channel」は、インターネット接続を遮断された規制の厳しいPCであっても、CPUの処理速度を意図的に操作することで、一部のアプリケーションでひそかにデータをやりとりできる攻撃を提案した研究報告である。 コンピュータをハッキングから守るためには「エアギャップ」と呼ばれる、ネットから物理的に分離したセキュリティ上の予防措置がある。また全てを遮断するのではなく、コンピュータ自体はインターネ

                                                  職場の「一部ネット接続できない規制PC」から機密データを盗むサイバー攻撃 米研究者らが発表
                                                • 耳の穴に入れる、らせん状の脳波計測器 脳とコンピュータを接続 中国の研究者らが開発

                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 近年、耳に関するBCI(Brain-Computer Interface)が注目されるようになったのは、毛のない部位でゲルフリーで取得できるという利点があること、非侵襲的な脳波(EEG)信号の取得により、日常生活で使用されるウェアラブルで目立たないモニタリング・エレクトロニクスの開発が可能になること、といった多面的な利点があるためである。 しかし、耳からBCIを接続する現在の方法には、耳栓で塞いだり、3Dプリンタで作られたアタッチメントのようなサポートシステムを必要としている。 この研究で提案する「SpiralE」という、らせん状のデバイス

                                                    耳の穴に入れる、らせん状の脳波計測器 脳とコンピュータを接続 中国の研究者らが開発
                                                  • ネコよ、なぜ壁を引っかく──1200匹以上を対象に調査 カギを握るのは“家庭内の子供”の存在?

                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 トルコのアンカラ大学やポルトガルのEgas Moniz School of Health and Scienceなどの研究者らが発表した論文「Evaluating undesired scratching in domestic cats: a multifactorial approach to understand risk factors」は、家庭で飼育される猫の望ましくない引っかき行動に関する研究報告である。 1211匹の猫を対象に、望ましくない引っかき行動の要因を調査した。飼い主の報告に基づいた結果、子供の存在、猫の遊び時間と夜行性活動などが

                                                      ネコよ、なぜ壁を引っかく──1200匹以上を対象に調査 カギを握るのは“家庭内の子供”の存在?
                                                    • 家庭用ヘッドセットから脳に“電流” うつ病に効く? 欧米の研究者らが174人で実験

                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 英University of East Londonや米University of Texas Health Science Center at Houstonなどに所属する研究者らが発表した論文「Home-based transcranial direct current stimulation RCT in major depression」は、家庭で使用するヘッドセットを用いて脳に定期的に電気を流すことによるうつ病への効果とその安全性を検証した研究報告である。 大うつ病性障害(MDD)の新たな治療法として、経頭蓋直流電気刺激(tDCS

                                                        家庭用ヘッドセットから脳に“電流” うつ病に効く? 欧米の研究者らが174人で実験
                                                      • ピタゴラス提唱の“不協和音”の理論、間違いだった? 人は少しズレた不調和を好む 英研究者らが発表

                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 英ケンブリッジ大学、米プリンストン大学、ドイツのMax Planck Institute for Empirical Aestheticsに所属する研究者らが発表した論文「Timbral effects on consonance disentangle psychoacoustic mechanisms and suggest perceptual origins for musical scales」は、古代ギリシャの哲学者ピタゴラスが提唱した協和音が整数比に基づくという理論に新たな洞察を加えた研究報告である。

                                                          ピタゴラス提唱の“不協和音”の理論、間違いだった? 人は少しズレた不調和を好む 英研究者らが発表
                                                        • 作りたてカレーが“すぐに”数日寝かした味に変わる? 食品を過去や未来の味に変える装置 明治大が開発

                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 明治大学の宮下芳明教授がWISS2023で発表した論文「TasteTime Machine : 飲食物を過去や未来の味に変える装置の実現に向けて」は、飲食物の味を過去や未来の味に変化させる手法を提案した研究報告である。この研究では、主に未熟なトマトや作りたてのカレーの味を数日後の味に変えること、また熟れたトマトや一晩置いたカレーの味を以前の味に戻すことが可能かを検証した。 また、この研究の知見をもとに開発した食品の時間を操る味覚AR装置「Taste-Time Traveller」も宮下研究室の研究者らが同時に発表した。

                                                            作りたてカレーが“すぐに”数日寝かした味に変わる? 食品を過去や未来の味に変える装置 明治大が開発
                                                          • 「マルウェア入り画像」で生成AIにサイバー攻撃 入力すると回答結果をハック、悪意サイトへの誘導も

                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Cornell Techに所属する研究者らが発表した論文「(Ab)using Images and Sounds for Indirect Instruction Injection in Multi-Modal LLMs」は、画像や音声に悪意あるプロンプトを含ませたプロンプト・インジェクション(生成AIに対しての攻撃)を提案した研究報告である。 ユーザーが知らずにその画像や音声を大規模言語モデル(LLM)のチャットbotAIに入力すると、画像や音声と無関係な偽の情報や、フィッシングサイトに誘導するテキスト回答を出力する。また、ギャル風に

                                                              「マルウェア入り画像」で生成AIにサイバー攻撃 入力すると回答結果をハック、悪意サイトへの誘導も
                                                            • グラフ構造学習を評価するためフレームワーク、米Googleが開発 4000以上のアーキテクチャを統一

                                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Google Researchに所属する研究者らが発表した論文「UGSL: A Unified Framework for Benchmarking Graph Structure Learning」は、グラフ構造学習のベンチマーク戦略を提案するもので、既存のいくつかの方法を単一のモデルにまとめたフレームワークに関する研究報告である。 ここでいうグラフとは、棒グラフや円グラフのようなデータを視覚化したものではなく、対象物をノード(頂点)とエッジ(辺)を用いて表現したデータ構造を指す。例えば、SNSのソーシャルグラフに用いられている。各ユー

                                                                グラフ構造学習を評価するためフレームワーク、米Googleが開発 4000以上のアーキテクチャを統一
                                                              • 「もっともらしいウソ」をなくした“信頼できる”AI、Google「CoDoC」開発 医療診断に活用

                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 Google DeepMindやGoogle Researchに所属する研究者らが発表した論文「Enhancing the reliability and accuracy of AI-enabled diagnosis via complementarity-driven deferral to clinicians」は、“医療画像をAIと人のどちらが診断した方が良いかを判断するAIツール”を提案した研究報告である。 「CoDoC」(Complementarity-driven Deferral-to-Clinical Workflow)

                                                                  「もっともらしいウソ」をなくした“信頼できる”AI、Google「CoDoC」開発 医療診断に活用
                                                                • 言語生成AIの入力文、最初と最後に“重要情報”を入れた方が良い結果に 米スタンフォード大などが検証

                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米スタンフォード大学などに所属する研究者らが発表した論文「Lost in the Middle: How Language Models Use Long Contexts」は、大規模言語モデル(LLM)の性能について、入力コンテキストの長さや関連情報(答えを含む文書)の位置を変えることでどのような影響があるかについて調査した研究報告である。 調査結果から、関連情報を入力コンテキストの最初に記入すると最も高い精度が得られ、入力コンテキストの最後に関連情報を記入すると次に高い精度が得られることが分かった。一方、関連情報を中央に配置すると精度が

                                                                    言語生成AIの入力文、最初と最後に“重要情報”を入れた方が良い結果に 米スタンフォード大などが検証
                                                                  • 「前歯を舌でタップ」「舌をかむ」 VRヘッドセットを“舌操作” 米Microsoftが開発

                                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ジョージア工科大学と米Microsoft Researchに所属する研究者らが発表した論文「TongueTap: Multimodal Tongue Gesture Recognition with Head-Worn Devices」は、VR/ARヘッドセットなどで、口を閉じたまま舌を使って操作するインタフェースに関する研究報告である。 頭部装着型デバイスにおける舌を使った操作は、ハンズフリーだけでなく、唇や顎を最小限に動かし、口を閉じたままで操作できる利点がある。外部から気付かれにくいため、公共の場でも使用しやすい。 しかし、過去の舌

                                                                      「前歯を舌でタップ」「舌をかむ」 VRヘッドセットを“舌操作” 米Microsoftが開発
                                                                    • 大規模言語モデルの「幻覚」を軽減する32の最新テクニック バングラデシュなどの研究者らが発表

                                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 バングラデシュのIslamic University of Technology、米サウスカロライナ大学、米スタンフォード大学、米Amazon AIに所属する研究者らが発表した論文「A Comprehensive Survey of Hallucination Mitigation Techniques in Large Language Models」は、大規模言語モデル(LLM)における幻覚(AIが根拠のないコンテンツを生成すること、ハルシネーションともいう)を軽減するための32のテクニック(研究)を紹介した研究報告である。 これらのテ

                                                                        大規模言語モデルの「幻覚」を軽減する32の最新テクニック バングラデシュなどの研究者らが発表
                                                                      • “むにゅ”っとやわらかいタッチディスプレイ 指で押すとぷにぷにへこむ 英国チームが開発

                                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英バース大学に所属する研究者らが発表した論文「DeformIO: Dynamic Stiffness Control on a Deformable Force-Sensing Display」は、ユーザーの指の動きと指圧に応じて表面が柔軟に変形するソフトなタッチスクリーンを提案した研究報告である。「DeformIO」と呼ばれ、ユーザーがその表面を押したり触ったりすると、その場所の剛性を動的に柔らかく変化できる。 DeformIOは、空気圧制御システムと特殊なシリコンゴム構造を組み合わせることで、表面の形状を変えずに剛性を変化させることに成功している。

                                                                          “むにゅ”っとやわらかいタッチディスプレイ 指で押すとぷにぷにへこむ 英国チームが開発
                                                                        • 米Apple、iPhoneのUIを理解するモバイル専用AI言語モデル「Ferret-UI」発表 GPT-4V越えの性能

                                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米Appleに所属する研究者らが発表した論文「Ferret-UI: Grounded Mobile UI Understanding with Multimodal LLMs」は、iPhoneやAndroidなどのモバイルUI画面をより深く理解し、インタラクションできるように設計されたマルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)を提案した研究報告である。 Ferret-UIは、モバイルUIの画面上で、多様な入力形式(点、ボックス、スケッチ)を用いて参照タスク(ウィジェット分類、アイコン認識、OCRなど)を実行し、グラウンディングタスク(ウィジェット検索、

                                                                            米Apple、iPhoneのUIを理解するモバイル専用AI言語モデル「Ferret-UI」発表 GPT-4V越えの性能
                                                                          • “地球最強”クマムシが極限状態でも生き抜くメカニズムが判明 深い眠り「乾眠」を引き起こす仕組みとは

                                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2

                                                                              “地球最強”クマムシが極限状態でも生き抜くメカニズムが判明 深い眠り「乾眠」を引き起こす仕組みとは
                                                                            • 写真から生成した3Dモデルに人の手が触れたときの「弾力や揺れ」をリアルに再現する手法「PIE-NeRF」【研究紹介】

                                                                              写真から生成した3Dモデルに人の手が触れたときの「弾力や揺れ」をリアルに再現する手法「PIE-NeRF」【研究紹介】 2023年11月30日 山下 裕毅 先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」(https://shiropen.com/)を運営。 米ユタ大学などに所属する研究者らが発表した論文「PIE-NeRF: Physics-based Interactive Elastodynamics with Neural Radiance Fields」は、物理ベースのシミュレーションをNeRFで生成された3Dシーンに適用する研究である。この統合により、静的な3Dシーンに物理法則(重力、力、運動)を適用し、動的特性のリアルなシミュレーションが可能となる。例えば、枝を引っ張って放すと、その力に応じて植物が揺れ動くような、3Dオブジェクトが実世

                                                                                写真から生成した3Dモデルに人の手が触れたときの「弾力や揺れ」をリアルに再現する手法「PIE-NeRF」【研究紹介】
                                                                              • 他人のキーボードに“1分で2万回の誤入力”をする攻撃 DoS攻撃やDeleteキー連打で妨害

                                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の浙江大学や米ミシガン大学、米ノースイースタン大学に所属する研究者らが発表した論文「GhostType: The Limits of Using Contactless Electromagnetic Interference to Inject Phantom Keys into Analog Circuits of Keyboards」は、電磁干渉(EMI)を利用して、他人のキーボードに物理的に触れることなく偽のキーストロークを注入できる攻撃を提案した研究報告である。 具体的には、キーボードの電気回路に誤った電圧を誘導し、キーボード

                                                                                  他人のキーボードに“1分で2万回の誤入力”をする攻撃 DoS攻撃やDeleteキー連打で妨害
                                                                                • アバターの“指の動き”からパスワードを盗む攻撃 VR内で働く人のキーボード操作に着目

                                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米シカゴ大学に所属する研究者らが発表した論文「Can Virtual Reality Protect Users from Keystroke Inference Attacks?」は、同じVR空間で作業をしているアバターの指の動きから入力内容を復元する攻撃を提案した研究報告である。 この研究は、米Metaが提供するバーチャルオフィスプラットフォーム「Meta Horizon Workrooms」におけるキーストローク推測攻撃の可能性を調査している。攻撃では、同じ空間にいる1人のVRユーザーが、別のユーザーのアバターの手の動きを分析し、タイ

                                                                                    アバターの“指の動き”からパスワードを盗む攻撃 VR内で働く人のキーボード操作に着目