人類が繁栄した理由 幼少期に和歌山県紀伊田辺で育ち、美しい海や山川に囲まれた自然のなかで、貝やイソギンチャク、草花を集めて図鑑で調べることが好きな子どもだった。そういう自然の美しさに惹かれ、それが科学によって解明され、説明できるエレガントなところが、幼い私にとって面白く生物に興味を持つようになった。 大学は理学部生物学科に進み、そこで理科二類の先生の講義に触発され、これを専門に研究しようと決めた。博士論文は、チンパンジーの行動と生態が研究テーマである。 40代以降になると人間に関する経験が増えてきたからか、ヒト以外の動物の生態研究からヒトを研究するようになった。今は人間の事に一番興味を持っている。 およそ600万年前にチンパンジーと人間の系統が分かれ、その後人類は何十億人にも増え、今日の科学文明を発展させてきた。ところが一方で、チンパンジーは絶滅危惧種になっている。その根本的理由を解明した