世にあふれる「教養」という言葉 今、学校教育のみならず、社会人教育の場においても盛んに「教養」が語られ、この言葉を聞かない日はありません。 岸田文雄内閣が「新しい資本主義実現会議」を立ち上げて以降、「資本主義」という言葉が盛んに聞かれるようになったのと同じような状況です。 「教養」と名のつく本も山のように出版されていて、「教養としての〜」というのが、今や本を売るための1つの枕言葉のようになっています。 私自身も教養についての講演を頼まれることが多く、特に読書とひも付けて教養の重要性について話す機会が増えています。 私の近著『読書大全』の中では、リベラルアーツの歴史を解説するところで教養についても触れていますが、そこでは教養そのものについては深く論じていません。教養について語るのであれば、それだけで独立した本になってしまうほど大きな題材だからです。 ただ、そうは言っても、教養について話しなが