解説者の近藤泰弘先生より飯倉篤義『改稿 日本文法の話 第三版』(ちくま学芸文庫)をご恵贈いただいた。 解説に「おそらく大半の方は,この版で初めて本書をお読みになるのだと思う」と書かれており,まさに私はそこに該当する。解説でも言及されている『日本語表現の流れ』はどなたか(たぶん金水先生)に勧めていただき古書で買い求め読んでいたが,だいぶ前のことだ。続けて解説では日本語文法の研究史がコンパクトに(本書の背後にある時枝文法についてはやや詳しく)まとめられている。その他やや複雑な本書の書誌についても説明がなされている。書籍の解説には感想が書かれていると思うことも多く,その意味で解説はこうあるべしというのを見せられたような気がする。そういう意味では解題に近いかもしれない。 さて,以下は長い余談になる。本書を頂いてから時枝誠記『日本文法』や三上章『象は鼻が長い 日本文法入門』が頭に浮かび「日本文法」が