日本の「民主主義社会」の特徴は、罰則を極端に嫌うことです。新型コロナ対策の特別措置法でも、当初は「罰則などとんでもない」され、感染抑制対策は国民の努力義務(行政からのお願い)になりました。その結果が「自粛警察」の跋扈で、それがあちこちでトラブルを起こしたことでようやく、改正特措法では入院を拒否した感染者や、営業時間の短縮命令に応じない事業者に過料を科すことになりました。 コロナ禍が始まって1年経って罰則の導入へと一歩踏み出したわけですが、ルール違反を「罰する」ことはこれほどまで恐る恐るやらなければならないことなのでしょうか。 処罰の効果については、公共財ゲームを使った興味深い研究があります。参加者はそれぞれ同額のお金を渡され、そのなかから好きな金額をファンド(投資信託)に拠出することができます。ファンドは預けられた資金を運用して増やし、参加者全員に均等に分配します。 A、B、Cの3人に10