太古の昔から「釣り」は水辺に住む民族にとり、共通の食糧確保の一手段であったと言えます。そしてより効率的な手段を求め、捕獲を専門とする人々の出現で、その技術は大きく発展し、単なる食糧確保から大量捕獲・大量消費へと時代は移ってゆきます。 目覚しい技術発展は、「釣り」を捕獲技術としては甚だ不効率で時代遅れのものとし、「カツオの一本釣り」のような一部の特殊なものを除き、衰退してゆくことになります。然しながら、この目覚しい技術発展は逆に「釣り」を趣味の世界へと変貌させる大きな節目ともなりました。 周囲を海に囲まれた日本では、古来から「釣り」が盛んで、各地の遺跡から多くの漁猟関係品が出土しています。日本の「釣り」に関する技術は大変優れ、世界でも最高水準に達しています。 日本ほど多くの優れた釣具が開発され、さまざまな釣法が発展した国もまた稀でしょう。釣り人の代名詞のように使われる「太公望」を生んだお隣中