マンハッタンのミッドタウン、カーネギーホールの向かいにあるオフィスで、ビル・フアン氏はひそかに世界最大級の資産を積み上げていた。 ウォール街でもほとんど知られていなかった同氏だが、突然有名になった。 同氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントは今や、史上最大のマージンコール(証拠金請求)の渦中にある。危険なほどレバレッジを効かせた秘密裏のポジションが一瞬のうちに解消されるというドラマだ。 フアン氏の資産増大は、ここ数日に銀行が大量売却した銘柄からうかがうことができる。バイアコムCBS、ディスカバリー、跟誰学(GSXテクエデュ)、百度(バイドゥ)はいずれも今年急上昇し、トレーダーらは首をかしげていた。 ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレー 、ウェルズ・ファーゴが26日以降のブロック取引で売っているフアンのポートフォリオの一部は、先週時点で約400億ドル(