第一章 「オタクは美少女に豚扱いされると喜ぶ」 この物語を通して諸君に伝えたいことは、ただ一つ、豚のレバーは加熱しろということだ。悪いことは言わない、豚レバーを生で食べようとは思うな。 ……それでも生で食べたい? 頑固だな、仕方ない。言っても分からぬ諸君のために、状況をざっと説明しよう。俺は今、薄暗い小屋の地面に泥まみれでうずくまっている。どうして泥まみれなのか。地面が泥だからだ。周りには豚。ここはどうやら豚小屋らしい。 記憶が正しければ、俺は駅のホームでうずくまっていたはずだ。腹に突然刺すような痛みを感じて、立っていられなくなったのである。その原因には思い当たるところがあった。 豚のレバーを生で食べた。 悪い友人に勧められ、胡麻油のタレにつけて生で食べた。プルプルしていて案外いけるな、プリンだプリン、肝臓プリン、なんて考えたのが馬鹿だった。腹を食い千切られるような痛みに、豚のレバーは決し