ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン『自画像』(1781年) 宮廷画家が語る、王妃の気さくな優しさ エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランが最初に王妃マリー・アントワネットの前に通されたとき、彼女は緊張に震えました。 しかし、王妃が優しく話しかけてくれたお陰で、緊張はすぐに解けたそうです。*1 ルイーズ(ヴィジェ・ルブラン)は回顧録で『お妃様に会ったことのない人に、優雅さと高貴さが完璧な調和をなしているその美しさを伝えることはむずかしい。』と述懐しています。 1783年から87年にかけて、ルイーズは王妃の肖像画を4枚書きましたが、王妃は彼女が美しい声の持ち主であることを知ると、当時オペラ・コミックの大家としてヒット作をガンガン飛ばしていた作曲家、グレトリの作品を一緒に歌ったということです。 あるとき、妊娠中のルイーズは王妃の絵を描く約束の日に、つわりがひどく、ヴェルサイユに行けなかったことがあ