投資信託を長期保有した場合、本当に資産は大きく増えるのでしょうか。時々、年平均リターンの概念を用いて、「30年間運用すると、ほら、こんなにお金が増えたでしょ」という記事を目にしますが、この考え方には大きな落とし穴があるのです。 長期投資に複利運用効果はある? 年平均リターンの考え方は、「複利運用効果」について説明する際によく用いられます。 「仮に年平均リターンを5%として30年間複利で運用すると、100万円が432万1942円になります。でも、年5%の単利運用だと、同じ100万円を運用しても250万円にしかなりません。その差は182万1942円にもなります。どうですか。複利運用ってすごいでしょ。だから、投資信託も分配金を受け取らずに再投資した方がいいんですよ」。 長期投資の複利運用効果については、このように説明されるケースが多いかと思いますが、この説明はいくつかの点で問題があります。 その