蜥蜴4号と蜥蜴リーダーが互いの立ち位置を変え、俺達は慎重に通路を進んでいく。すると、俺は視界に複数の影を捕らえた。良く見てみると、その姿は暗灰色の巨大な鼠のような姿をしており、その眼球は昆虫の複眼?ような形状をしている。勿論超キモい。体長は長い尻尾を除いて1m程であろうか。数は目視で3匹確認できる。恐らくは魔物であろう。 灰鼠のような魔物は、音を立てずに近付く俺達には目もくれず、一心不乱にカリカリと何かを齧っている。目を凝らしてみると、それは良くある人間の死体を齧る、なんてホラーな感じでは無く、げっ歯類らしく普通に木片のような物を齧っていた。そもそもこの階層では、低ランクの新人や街の腕自慢のド素人でもない限り、魔物に襲われて死ぬ探索者など滅多に居ない。寧ろ遭難して衰弱死する連中の方が多いそうだ。この階層に降りてからのリザードマンズはやたら慎重だが、恐らくは戦闘に関しては素人なハズの俺達ポー