『ふつうの軽音部』はキャラクターの配置が巧みで、楽しく漫画を読み進めることができる。 そしてなんというか、安心してみていられるのも良さの一つだと感じている。 『ふつうの軽音部』は出だしから登場人物が多いタイプの漫画だ。またそれぞれのキャラクターの掘り下げも、過去の出来事の紹介などから随時行われる。彼らは作品世界の中で万能ではない。人間的衝突や悩みをそれぞれ抱えている。 とっても普通の感想になっちゃうのだが、『ふつうの軽音部』の良さは、そんな登場人物同士のやりとりや掛け合いのなかで物語が進んでいくところにある。 いわば人間関係の「あわい」に物語の本質があるといってもいいだろう。 ところで、登場人物をたくさん出して、各キャラクターの魅力で物語を牽引していく漫画作品もまた多い。 そうした漫画の中には、あまりに登場人物が多くなり、かつ登場人物たちのエピソードが積み重なってしまうものがある。 その結