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飯田泰之の検索結果1 - 27 件 / 27件

  • 能登半島地震であえて問う、20年後に消滅する地域に多額の税金を投入すべきか 人口減少の日本で問われる、何がどこまで公費で救済されるべきかの線引き | JBpress (ジェイビープレス)

    (山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員) 2024年の幕開け早々、能登半島北端の輪島市、珠洲市周辺を襲った巨大地震。山がちな半島特有の地形や寸断された隘路に悩まされていましたが、ホバークラフトが投入されるなどして、ようやく被災地に暮らしていけるだけの物資が輸送できるようになってきました。 大型の余震や豪雪などの悪天候もあり得る中で、ギリギリの人命救助や輸送作戦も行われています。石川県の皆さんだけでなく、応援に入られた各都道府県消防・防災ご担当者や防衛省・自衛隊、海上保安庁および電力会社や通信会社、医療関係者ほか各民間の皆さんのご努力には本当に感謝に堪えません。 総理の岸田文雄さんも、巨大地震発生の報が入るや発生1分後には対策室を設置。5分後には関係部門への指示出しを行うなど、きちんと初動の対策に力点を置き、状況把握や人命救助、物資輸送に尽力されました。 石川県知事の馳浩

      能登半島地震であえて問う、20年後に消滅する地域に多額の税金を投入すべきか 人口減少の日本で問われる、何がどこまで公費で救済されるべきかの線引き | JBpress (ジェイビープレス)
    • 出産費の保険適用は筋悪だと思うよ|飯田泰之

      岸田政権の掲げる異次元の少子化対策.次の一手は出産の保険適用のようです.私も出産に保険が適用されないのはおかしい……と思っていた時期がありました. しかし,出産への保険適用には2つの問題がある.ひとつは周産期医療に関連した問題.そしてもうひとつは「社会保険とは何か」に関する根本的な問題です. 結論として,出産費用への支援は一律給付金増額で行うべきです.なのですが,今日はむしろその理屈に注目してください.保険適用もするし給付金も支給すればよいといっている人がいますが...ダメです. 保険適用のために まずは軽め(?)の話題から.正常分娩に保険適用をする……ためには, ・分娩費用の公定価格を定める ・そのための「標準的な正常分娩時の医療行為」を定める 必要が生じます.これまで各医療機関が様々な形で工夫してきた周産期医療のありかたを画一化・固定化することがサービスの向上につながるとは到底思えない

        出産費の保険適用は筋悪だと思うよ|飯田泰之
      • 「内閣府資料に中国企業ロゴ混入」は小さな事件ではない…元内閣府委員の明大教授が指摘する「問題の本質」 担当大臣の河野太郎氏の推薦人事だった

        再生可能エネルギーに関する内閣府の会議の資料に、ひそかに中国国営企業のロゴが入っていた問題で、3月27日、資料を提出した有識者が会議の委員を辞任した。明治大学政治経済学部の飯田泰之教授は「ロゴ混入は『事務的なミス』とされているが、これはそんな小さな事件ではない。背景にはもっと大きな問題がある」という――。 “事務的なミス”だとされた「ロゴ混入問題」 唐突にネットの話題となった、内閣府「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース(以下、再エネTF)」問題があらたな展開を見せている。 まず、事の発端は、3月22日の再エネTF構成員の大林ミカ氏(自然エネルギー財団事務局長)が提出した資料のなかに、中国国営企業の国家電網公司のロゴが入っていたことにはじまる。閲覧するOS(iOSやAndroidなど)によっては見えない設定となっていたため、24日頃、ネット上で指摘されてはじめて内閣府の

          「内閣府資料に中国企業ロゴ混入」は小さな事件ではない…元内閣府委員の明大教授が指摘する「問題の本質」 担当大臣の河野太郎氏の推薦人事だった
        • 再エネTF資料のロゴ問題について|飯田泰之

          規制改革を担当する河野太郎大臣の説明では「チェックの不備」であり,ファイル自体が有害なもの(ウィルス?)などではないとのことですが...…そういう話じゃないんです. 内閣府規制改革推進室の記者会見については以下の記事でまとめられていますが... 前置き 内閣府で規制改革関連の案件を扱う部署が規制改革推進室です.同部署の主要な業務,そして内閣府における規制改革関連の会議体が規制改革推進会議です. 私は2016年から2019年まで内閣府規制改革推進会議の委員でありました.農業ワーキンググループ(以下WG,のちに農林WG)を中心に,保育・雇用WG,投資WG,規制改革ホットライン担当などを経験しました.農林WGでは座長として,農業用ドローン,都市でのいわゆる「野菜工場」(建屋内水耕栽培施設),森林経営管理,木造建築などの規制改革を議論しました. 現在話題のTFは担当部局は規制改革推進室ですが,規制

            再エネTF資料のロゴ問題について|飯田泰之
          • 為替レートと交易条件|飯田泰之

            円安によって輸入品の円建価格(要は国内価格)に上昇圧力が働いています.過日のエントリ(→日銀政策決定会合とOREINT)の通り,為替レートは金融政策の目標ではありません.金融政策は国内の景況・物価を目標に運営されるべきです.したがって・・・現下の円安による輸入価格上昇が国内の物価指数にどの程度上昇圧力をもたらすのかは今後も要注目. その一方でこの記事はもうひとつの「裏読み」が必要です.円安によって(円建てでの)輸入品価格が上がっているということは,同じ理由で輸出品価格の円換算額も同じくらい上がっているはず. 下記は輸出物価指数の推移です.国際価格(図中の「契約通貨ベース」)は2020年にコロナショックで低下したのちに2022年にかけて回復,その後は横ばいです.一方,円換算額は2020年の1.4倍まで上昇しています. 円安が嫌われる理由,そして何故か為替レートが国力を表すかのように感じる大き

              為替レートと交易条件|飯田泰之
            • ふたつのギフテッド|飯田泰之

              さて本日は本の紹介・感想にかこつけて,最近時々話題にしている.「凡庸な優秀さ」についてのお話です. 映画や,最近だとマンガやそのドラマ化などで話題の「ギフテッド(gifted)」ですが,今回紹介するのはこちらの書籍. 連載中にも何度か目にしたことがある,朝日新聞の連載をもとにした書籍.読後第一の感想は……「二人の著者(記者)は正直な人だな」です.その理由は後程. ギフテッドとは ギフテッド(gifted)という単語そのものは「与えられた人」...…ここから「天賦の才能を神からgiftされた人」という意味になる.talentedと似てるけど,talentedはスポーツや芸術・表現等の分野での特異な才能/giftedは知的な才能について用いられる傾向があるそうな――ただし,上の連載・書籍ではやや広い定義として, ・並外れた才能ゆえに高い実績をあげることが可能な子ども ・実際目に見えて優れた成果

                ふたつのギフテッド|飯田泰之
              • マッカーシー遺作、護身術バリツ、財政金融政策 - Cakes連載『新・山形月報!』

                ずいぶん間が空いた山形月報ですが、今回は文学好きの間では話題ながらも難物と言われるコーマック・マッカーシー遺作2部作を中心に、ホームズの格闘術と、財政金融政策の話。文学にネタのような真面目な格闘術、さらには経済話といつもながらバラバラですが、さて、どんな話になるでしょうか! ずいぶん間が開いた (一年以上かよ!)。いつもながら、採りあげるつもり満々の本が一冊あって、それをどう料理しようか考えるうちに、ずるずる先送りになってしまうというありがちな話ではあります。 で、今回扱うのは、それではない。 コーマック・マッカーシーの遺作となる2部作『通り過ぎゆく者』『ステラ・マリス』だ。 マッカーシー『通り過ぎゆく者』 コーマック・マッカーシーは、現代にあって、本当の意味での文学を書けた数少ない作家の一人だ。そして、それは文学というものの意義が変わってきた現代では、決して容易なことではない。 村上龍は

                  マッカーシー遺作、護身術バリツ、財政金融政策 - Cakes連載『新・山形月報!』
                • 固定費と実感可処分所得|飯田泰之

                  先月の『中央公論』特集に「日本に横たわる格差と格差 " 感 "」という小文を寄稿しました.特集そのものは親ガチャ問題に代表される格差の継承についてなのですが,テーマの真ん中は多くの人が書くようなので,少し変化球で「主観的な格差意識」に注目しています. 上記記事では「理想の家族」という幻想が主観的格差を生み出すという点に注目していますが,今回は東京一極集中から主観的格差が生まれる理由についてお話します. 固定費とシュワーベの法則 所得格差や資産格差--それ自体も確かに問題なのですが, ・日本の所得格差は過去10-20年で横ばいかやや改善気味 ・そもそも日本の所得格差や資産格差は海外に比べるとかなり小さい にもかかわらず,意識調査では「格差を感じる機会が多い」「格差が拡大している」という回答が増加している. このような客観的格差と主観的格差(格差意識)の乖離の原因として,あげられるのが固定費の

                    固定費と実感可処分所得|飯田泰之
                  • 飯田泰之『財政・金融政策の転換点』(中公新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                    1月23 飯田泰之『財政・金融政策の転換点』(中公新書) 7点 カテゴリ:政治・経済7点 先進国では1980年代に退治したと思われていたインフレが復活し、景気対策は金融政策中心で財政政策は最低限度で良いとされていたスタンスがゆるぎ財政出動が叫ばれるなど、近年のマクロ経済政策は大きく揺れました。 本書のはしがきに「常識はそれが「常識」になった時点から崩壊が始まる」(ii p)とありますが、まさにここ最近のマクロ経済学ではさまざまな常識が書き換えられてきたのです(例えば、ブランシャール『21世紀の財政政策』における、かなりの規模の財政赤字を問題なしとする立場など)。 本書は、まずは財政政策と金融政策の標準的な理解を押さえながら、財政政策と金融政策の融合、「高圧経済論」といった新しい潮流を探っています。 メディアなどで見かける著者のイメージからすると、中公新書ということもあって「やや硬め」かもし

                    • 実証分析をめぐるメンドイ話|飯田泰之

                      あーあーあー^^ またこういう「データ」が出てきてしまった.そして相も変わらず「増税のせいで婚姻・出産が減っている」みたいなtweetpostがちらほら... 計量経済学の入門講義で必ず勉強するはずの「トレンドをもつ変数同士」なわけです.長期的に上昇している国民負担率と同じく長期の下降トレンドにある出生・婚姻の単純な相関とりゃ...そりゃバリバリマイナスなわけですよ. 例えば...大学進学率と癌での死亡率はともに戦後上昇を続けています.両方+トレンドあるから相関係数もかなり高い.でも両者の因果なんて誰も言わないでしょ? ところが,同様の見せかけ上の相関だったとしても・・・国民負担率と婚姻数みたいな「なんか関係あってもおかしくない」データ同士だとついついトレンド問題が頭から消えちゃうんだよね. ついでにこの国民負担率と出生・結婚はトレンド以外にも見せかけ上の相関をつくりやすい関係がある.国民

                        実証分析をめぐるメンドイ話|飯田泰之
                      • 「日本酒の瓶はリサイクルできないから禁輸」いつものダブスタ欧州は日本のリサイクル技術を買うべき

                        飯田泰之 @iida_yasuyuki 日本酒の瓶はリサイクルできないことで禁輸の危機 EUの環境・リサイクル推進論が何のためにあるのかわかりやすい展開 「ウイスキーなどの蒸留酒やワインは地元メーカーへの打撃が大きいとして義務を免除」 →日本酒がEUで「禁輸」危機…30年以降に瓶の再利用義務化 yomiuri.co.jp/world/20240223… 2024-02-24 16:32:00 擲弾兵@4回目接種済 @tekidanhei 「え? 欧州さんにはまだ色ガラスのリサイクルの目途が立っていないんですか? 日本は欧州産ワインブームにから10年以内にリサイクル体制が整いましたけど。環境先進国らしからぬ体制ですね。日本からノウハウを買うべきじゃないですかね?」 くらいの嫌味で答えるべき案件やね。 x.com/iida_yasuyuki/… 2024-02-24 21:43:23

                          「日本酒の瓶はリサイクルできないから禁輸」いつものダブスタ欧州は日本のリサイクル技術を買うべき
                        • 再エネTF資料のロゴ問題について|飯田泰之

                          規制改革を担当する河野太郎大臣の説明では「チェックの不備」であり,ファイル自体が有害なもの(ウィルス?)などではないとのことですが...…そういう話じゃないんです. 内閣府規制改革推進室の記者会見については以下の記事でまとめられていますが... 前置き 内閣府で規制改革関連の案件を扱う部署が規制改革推進室です.同部署の主要な業務,そして内閣府における規制改革関連の会議体が規制改革推進会議です. 私は2016年から2019年まで内閣府規制改革推進会議の委員でありました.農業ワーキンググループ(以下WG,のちに農林WG)を中心に,保育・雇用WG,投資WG,規制改革ホットライン担当などを経験しました.農林WGでは座長として,農業用ドローン,都市でのいわゆる「野菜工場」(建屋内水耕栽培施設),森林経営管理,木造建築などの規制改革を議論しました. 現在話題のTFは担当部局は規制改革推進室ですが,規制

                            再エネTF資料のロゴ問題について|飯田泰之
                          • 飯田泰之 on X: "暇空氏の開示請求について(その他の個別発言はさておき)…… 各種支援団体へのチェック・監査体制が整備される方向への契機として(これらの活動を支持する人にとっても)重要なことなんだよ."

                            • 植田総裁、チャレンジングになるってよ。何時のことか分からないけど。 - 出遅れリタイア日記

                              当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。 出遅れおじさんです。 日銀の植田総裁の国会での発言が波紋を呼んでいます。 www3.nhk.or.jp 昨日(12月7日)参議院の財政金融委員会に出席した日銀の植田総裁は、「半期報告」を行い、 「現時点では物価安定の目標の持続的安定的な実現を十分な確度をもって見通せる状況には至っておらず、今後、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要だ」 「粘り強く金融緩和を継続することで経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく方針だ」 と述べたとのことです。(この2パラグラフは、上記NHKニュースより引用) その上で植田総裁は今後の金融政策の運営について抱負を問われたのに対して、 「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていきたい」

                                植田総裁、チャレンジングになるってよ。何時のことか分からないけど。 - 出遅れリタイア日記
                              • 【(続)所得減税】世耕幹事長、よく言った! 飯田教授、そこまで言います? 苦し紛れの一手 - 出遅れリタイア日記

                                当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。 出遅れおじさんです。 【世耕幹事長! よく言った!】 昨日(10月25日)の参議院本会議での与党である自由民主党の世耕参院幹事長の代表質問は秀逸でした。 (世耕幹事長の質問は1時間9分過ぎから) www.youtube.com ネットニュースでは、「まるで野党」とも言われるほどの、首相支持を表明しながらも首相の資質まで問いただす厳しい質問でした。 リーダーの条件として、「決断し、周りを説得し、最後は責任をとる」その全てが欠けている、といわんばかりの言いぶりでした。 基本的にはこれまで私 出遅れおじさんがこれまでしばしば岸田ソーリを批判してきたことの集大成と言っても良い質問でした。 減税してこそ、経済が活性化し税収が増える・・・まさしくその通りです。 加えて、その後の岸田ソーリの答弁がグダグダであったというのもネットニュースの話題でした。

                                  【(続)所得減税】世耕幹事長、よく言った! 飯田教授、そこまで言います? 苦し紛れの一手 - 出遅れリタイア日記
                                • 経済政策両極端が呉越同舟して反対する「支援金制度」って - 出遅れリタイア日記

                                  当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。 出遅れおじさんです。 多少の古新聞で恐縮ですが、制度・規制改革学会が4月5日付けで緊急声明「『子育て支援金』制度の撤回を求める」を発表しました。 drive.google.com いうまでもありませんが、岸田ソーリが推進する「異次元の少子化対策」の財源確保のためにいつの間にか「ステルス」的に鎌首をもたげた立派な岸田増税です。 本件については、一人当たり(国民全体なのか、勤労者辺りなのかすら、いろいろ議論はありますが)300円だの500円だのはたまたあるいは1,000円だとか負担金額ばかりが話題に上がっていますが、本来将来の国作りの為なので「何故国債ではダメなのか?」という根本問題はすっかり外に追いやられているという問題はありますが、健康保険から財源を捻出すること自体を ・そもそも、健康保険の財源の目的外使用じゃネ? ・実質負担は生じないと

                                    経済政策両極端が呉越同舟して反対する「支援金制度」って - 出遅れリタイア日記
                                  • 経済評論家上念司氏主催の八重洲イブニングラボに参加しました - 出遅れリタイア日記

                                    当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。 出遅れおじさんです。 本日(7月9日)は経済評論家上念司氏主催の八重洲イブニングラボに参加しました。 本日のゲストは明治大学政治経済学部教授の飯田泰之氏です。 左:飯田泰之、右:上念司氏 ご存じ無い方もいらっしゃると思いますが、上念司氏と飯田泰之氏ともにリフレ指向の経済評論家及び経済学者ですが微妙に立ち位置が異なっています。 上念氏は様々な会社経営を通して、人材採用面等で需給のタイトさを実感されているようで、「もはやデフレではない」とマインドチェンジの必要性を訴えています。 一方の飯田教授は、様々な経済データから特に個人消費の低調ぶりを案じており、一歩間違えればデフレに再戻り・・・と懸念されています。 「激論勃発か?」まるでプロレスのコピーのような上念氏からの案内メールもあり、始まる前から期待は盛り上がっています。 例によって、講演の内容

                                      経済評論家上念司氏主催の八重洲イブニングラボに参加しました - 出遅れリタイア日記
                                    • 飯田泰之 on X: "暇空氏の開示請求について(その他の個別発言はさておき)…… 各種支援団体へのチェック・監査体制が整備される方向への契機として(これらの活動を支持する人にとっても)重要なことなんだよ."

                                      • 高圧経済論と有効需要原理は別物だよ|飯田泰之

                                        さて,年の瀬もおしせまって参りましたがみなさまいかがお過ごしでしょう? 2023年が残すところあと4日なんて……不都合すぎる真実です.この年の瀬に発売というなかなかチャレンジングな新刊ですが,みなさまのおかげさまをもちまして,それなりに注目いただけているようです. さて,本日の話題はあいも変わらずの高圧経済論です.高圧経済論は好景気が生産性・生産能力そのものを向上させるという主張です.高圧経済の維持に財政・金融政策が必要(になることがある)ため誤解されがちですが--「高圧経済論」と「有効需要の原理」は全然違うロジックです.ここを混同しないで欲しい... 供給能力と総需要 有効需要の原理は,有効需要の増加が稼働率向上や失業率減少を通じて現実のGDPを上昇させるという論理です.そのため,「経済の供給能力に比べ,有効需要が小さい状況」にあることが前提になります. 一方の高圧経済論は,「供給能力に

                                          高圧経済論と有効需要原理は別物だよ|飯田泰之
                                        • 「在野に学問あり」特別編 韓国文学翻訳者・舘野晳

                                          この連載は在野で学問にかかわる人々を応援するものだ。 インターネットの発達で、誰でも簡単に情報にアクセスでき、発信できる時代である。そのことを前提として、本連載では在野で研究や学問にかかわる方たちに、研究のノウハウを聞いてきた。ただ疑問に思ってきたことがある。気軽に情報にアクセスできないそれ以前の時代、どのような学問とのかかわり方をしてきたのだろうか。 2019年10月、ある出会いがあった。韓国文学を翻訳する出版社で書店でもあるクオン/チェッコリが企画する「文学で旅する韓国 - 大邱(テグ)編」に参加した時のことだ。このツアー参加者20名ほどの懇親会を兼ねた夕食の席で、ある男性が隣に座った。 ーーーー その男性が、ずっとみんなから「先生」と呼ばれていたので、ビールをついでもらっている隙に、「どうして、先生って呼ばれているんですか」と聞いてみた。 「ここでは、みんなよりも先に生まれているから

                                            「在野に学問あり」特別編 韓国文学翻訳者・舘野晳
                                          • 飯田泰之 日本に横たわる格差と格差"感" いま求められる「再分配」とは?|社会|中央公論.jp

                                            2013年に公刊されたトマ・ピケティによる『21世紀の資本』は、格差と分配という経済学の古典的なテーマを現代によみがえらせた。市場経済とそれによる経済成長という「神の見えざる手」よりも、税や給付など「政府の見える手」こそが格差を縮小してきたという歴史的な事実の提示は、経済論争の焦点を大きく変化させた。 ピケティの議論では主に資産格差に重点が置かれていたが、同時期の前後から本格化した技術革新が格差拡大の主因であると考える議論も多い。ロボティクスや人工知能の発展によって事務系・知識系労働者の仕事が減少し、中流層の解体が起きるという予想は、格差問題が従来の貧困対策に限定されない新たなフェーズに突入しつつあることを示している。 格差指標と主観的格差 格差への関心が高まる中で、メディア等では暗黙のうちに日本においても格差が拡大しているとの想定で議論が進むことが多い。しかし、この前提には一定の留保が必

                                              飯田泰之 日本に横たわる格差と格差"感" いま求められる「再分配」とは?|社会|中央公論.jp
                                            • 暗号資産、PayPayは「おカネ」と呼べますか…今の時代に「貨幣」の再定義が必要と言えるワケ(飯田 泰之,井上 智洋,前田 順一郎) @moneygendai

                                              暗号資産やステーブルコインといった「デジタル資産」が普及しつつある昨今。「貨幣」について改めて考える必要がある。経済学者・飯田泰之氏、井上智洋氏と公認会計士・税理士の前田順一郎氏が「貨幣概念」を再定義する。 飯田泰之 1975年生。東京大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。財務省財務総合政策研究所上席客員研究員、総務省自治体戦略2040構想研究会委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。専門は経済政策・マクロ経済学、地域政策。 井上智洋 慶應義塾大学環境情報学部卒業。2011年に早稲田大学大学院経済学研究科で博士号を取得。早稲田大学政治経済学部助教、駒澤大学経済学部講師を経て、2017年より同大学准教授。専門はマクロ経済学。最近は人工知能が経済に与える影響について論じることが多い。 前田順一郎 立教大学大学院人工知能科学研究科客員教授/公認会計士・税理士。東京大

                                                暗号資産、PayPayは「おカネ」と呼べますか…今の時代に「貨幣」の再定義が必要と言えるワケ(飯田 泰之,井上 智洋,前田 順一郎) @moneygendai
                                              • 飯田泰之 on X: "で。。。こういう思考がでてくるとこがだめなんよ.相手がどんなにおぞましくて下衆くてもだめなんだよ. なお暇空氏の住民監査〜国賠の活動はすごいことだと思うけど,行政をまかせるべき人とは思わんね"

                                                • 社内営業と凡庸な優秀さ|飯田泰之

                                                  みんなの欲望に忠実なX-world♪ 今日も「みんながそうであって欲しい」という希望あふれるpostが人気です.本日の話題はこちら♪ いつも正直な木曽さんの指摘からはじまる「社内飲み会のお話の是非」について. この種の人達って、何で上司と飲む場で楽しもうとしてるんだろう?そこからして意味がわかんない。 https://t.co/uGQT5ruPNz — 木曽崇/Takashi Kiso (@takashikiso) September 15, 2023 木曽さんの指摘はここから,上司と飲むのは社内情報の収集,自身の売り込みなどの「オシゴト」要素満載で結構大切だよという話につながっていくのですが,いろんなとこから批判が出ているようです^^ 何がびっくりしたって...意識高い系(ノマドとかフリーランスとかいいながらスタバでMacBookで仕事してる人←雑^^)が木曽さんの指摘に批判的なところ

                                                    社内営業と凡庸な優秀さ|飯田泰之
                                                  • 震災と万博......みんなおちつけ|飯田泰之

                                                    本日の結論 ・「経済効果」を喧伝しすぎると(こういう)痛い目を見るよ ・万博を目の敵にしても土木建設業のリソース不足は解決しないよ ・大阪の人少し怒ったほうがいいよ 震災と万博について,発災直後の1/5に経済同友会の新浪剛史氏の中止への提言が注目を集めました.その後の続報がないため・・・何となく思い付きで発言して(わりと新浪氏はこの手のポロリ多いです),後から落ち着いて考えてみたら筋悪なことに気づいたのではないでしょうか. なお,COMECOでの投稿にしようと...日経新聞の記事を探したのですが,万博中止orその後の自見万博相の否定などについて取り上げていません.経済新聞だけあって上の新浪発言がそれほど真剣な提言ではないことが分かっているのかなぁと.関西の経済団体は万博成功に向けて前のめりです. その一方で,ネット等では「こんなときに万博やっている場合じゃないだろ」といった自粛系,「復興の

                                                      震災と万博......みんなおちつけ|飯田泰之
                                                    • 賛否まっぷたつ! 岸田総理の「所得税減税案」、5つの疑問 - 政治・国際 - ニュース

                                                      今回の減税案は慌ててこしらえた起死回生の策ではないかとの見方も。ところが支持率は回復せず、低空飛行を続けている 突如浮上した、岸田総理の減税案。その中身を見ると、1回限り、ひとり4万円、実施は来年6月となんだかチグハグ! とはいえ、減税自体はわれわれも求めていたはず。何にいったいモヤモヤするのか、5つの軸で解きほぐしてみた! ■所得税減税に反対65%の衝撃岸田総理が10月7日に税収の還元案を発表して以来、メディアや政界内に波紋が広がっている。 その中身をおさらいすると、最も対象者が多いのが4万円の定額減税だ。ひとり当たり所得税3万円と住民税1万円の減税で、扶養家族も対象となるので、4人家族なら16万円となる。これに加えて低所得者向けの給付があり、具体的には住民税が非課税の世帯へ7万円を支給するという。 減税は来年6月以降、会社員であれば給料から天引きされている税金が減り、手取りが増える形。

                                                        賛否まっぷたつ! 岸田総理の「所得税減税案」、5つの疑問 - 政治・国際 - ニュース
                                                      • 飯田泰之 on X: "私のFF界隈で大きな論点になっているので以下連投 (今言うことなのか系の話はしません.私もひと月早いのでは?と思いますが,それと提言の是非は別物です)"

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