※本記事は阿部恭子『高学歴難民』から抜粋・編集したものです。 (登場人物は仮名で、個人が特定されることのないよう一部エピソードに修正を加えています。) 3度目の事件 10代、20代の私を知る友人は、すっかり「田舎の主婦」という雰囲気に変わった私の姿に、口を揃えて「意外だ」と言います。2人の子育てに精一杯で、40歳を過ぎた頃には、自分の趣味や着るものにさえ関心がなくなっていました。 そんなある日、教室を閉め、帰宅の準備をしていたところ、ひとりの生徒の保護者が訪ねて来たんです。 「ちょっといいですか!話があるんです」 私と同じくらいの年齢で、とても派手な印象の女性です。女性は、教室を閉めようとしている私に、話をさせてほしいと強引に中に入れるように言いました。女性は椅子に腰掛け足を組むなり、 「ご主人、うちの娘に手出したでしょ!」 と問い質し始めました。 「え?まさか!」 私は思わず叫んでしまい