深刻な負債を抱えるDIC株式会社の取締役会は、今年4月に設立された「価値共創委員会」の「現在の体制で美術館を運営し続けることは現実的ではない」という勧告に基づき、8月27日に開かれた取締役会でDIC川村記念美術館の運営戦略について協議し、同館を2025年1月下旬で休館する方針であると発表した。 DICは、「当館を単に所有資産として捉えた場合、特に資本効率の観点から、必ずしも有効に活用されていないことは明らか」であると述べ、資本効率の向上が喫緊の経営課題である今、社会的価値と経済的価値の両面から美術館事業の位置づけを再考する時期に来ている」としている。また同社は、12月に取締役会を開き、美術館の将来について決定する予定だという。 US版ARTnewsでもこのニュースを報じており、同館を所有するDIC株式会社の経営悪化による美術館の休館について、754点の所蔵作品の未来を案じる記事を公開した。