日本の株価は乱高下を繰り返している。日経平均株価でみると、年初が三万三千円台だったのが、バブル期を超え、七月初めには、四万二千円台まで上昇した。「息の長い上昇トレンド」だと評価するエコノミストたちもいた。ところがその後、一九八七年十月の株価暴落「ブラックマンデー」を超える大幅な下落を経験し、それ以後も荒い動きだ。 だが、政府も識者たちも「株価に一喜一憂せずに、長期で資産運用を」と賢しらに発言している。まるでへたな株の営業をみているようだ。この状況に対して、日本人全体が「投資依存症」にかかってバブルが起きている、と断定したのが本書だ。 モリタク先生(著者の愛称)は、がんと闘い、ザイム真理教(財務省の緊縮政策)やさまざまな日本のタブーに立ち向かっている。今回の相手は、新NISAなど投資ブームを煽る政府や金融業界だ。 長期的な投資はギャンブルとは違う、というよく聞く説明も、モリタク先生は一刀両断