合成生物学のロボコンとも言われる「iGEM」の2023年パリ大会で、日本の高校生チーム「Japan-United」が初出場で世界の頂点に立った。合成生物学は細胞内で働くタンパク質やDNAをロボットの部品のように捉え、様々な機能を持つ細胞を人工的に作り出す研究だ。iGEMに参加するチームは自由にテーマを選び、合成生物学で社会課題を解決するアイデアを発表する。卒業生は7万人を超え、関連したスタートア
クジャクの羽やコガネムシの体の表面などに見られる光沢を持った独特な色を作り、極めて高い解像度で印刷することに成功したと京都大学の研究グループが発表しました。 クジャクの羽やコガネムシの体の表面に見られる光沢を持った独特な色は、層状に積み重なった微細な構造のものに光が反射することででき、「構造色」と呼ばれています。 研究グループでは、ポリエチレン袋などに使われる化合物に光を当てて材質を変化させたあと酢酸などに浸すことで、人工的に構造色を作り出すことができたということです。 そして、光の種類や当て方を変えて調整することで、さまざまな色や模様が表現でき、一般的な商業用印刷の40倍の解像度で印刷したり極めて薄いフィルムなどの素材に印刷したりすることに成功したということです。 伊藤特定助教は、紙幣の偽造防止などにも活用できるとしていて、「使う素材は安く特別な設備も必要ない。インクの代替としてもさまざ
iPS細胞から軟骨の組織を作り、ひざの関節の軟骨が損傷した患者に移植する臨床研究の計画を京都大学のグループが国に申請しました。 現在は、ひじなど健康な別の部位の軟骨の細胞を手術で取り出して移植する治療法が行われていますが、患者の負担が大きいことなどが課題になっています。 京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授らのグループは、ヒトのiPS細胞から軟骨の組織を作り、ひざの関節の軟骨が損傷した患者に移植する臨床研究の計画を今月7日に、国に申請したと明らかにしました。 計画では、患者のひざにiPS細胞から作った軟骨の組織を移植する手術を行い、安全性や有効性を確認することにしていて、患者の負担を減らしながら関節が再び動かせるようになることを目指します。 審査は早ければ、来月にも始まる見通しで、グループは、国の了承が得られれば来年以降、患者への移植を始めるとしています。 iPS細胞から作った細胞や組織
ヒトのiPS細胞から骨と筋肉をつなぐ「けん」の細胞を作製し、アキレスけんが傷ついたラットに移植して歩く機能を回復させることに成功したと京都大学などのグループが発表しました。 これは京都大学iPS細胞研究所の池谷真准教授らのグループがオンラインで会見を開いて発表しました。 骨と筋肉をつなぐ「けん」は再生能力が低く、傷ついた場合に治療が難しい組織とされ、体の別の組織を使ったこれまでの治療法も合併症のリスクがあることなどが課題となっています。 グループは、ヒトのiPS細胞から作り出した「けん」の細胞300万個をアキレスけんが断裂したラットに移植して変化を調べました。 その結果、移植をしていないラットは歩く際に足のかかとにあたる部分が低く下がった状態となっていましたが、移植したラットでは、2週間後にはかかとの位置が2倍ほど高くなり、健康なラットと同じ程度まで回復したということです。 さらに、回復し
究極の暗号技術といわれる「量子暗号通信」が実用段階に入った。東芝は2020年度に金融機関などを対象に米国で通信サービスを始める。通信設備を巡る中国の華為技術(ファーウェイ)の問題などもあり、安全確保への関心は高く、国際的な開発競争となっている。中国が国を挙げた取り組みを進めるが、日本には数十年にわたる基礎技術の積み重ねがあり、それを生かす戦略が問われている。【関連記事】東芝、量子暗号通信サービス開始 まず米国で20年度「20年は量子技術の市場ができる『元年』になる」――。研究者だけでなく、企業や支援する政府の関係者も注目している。この分野で先陣を切るのが量子暗号通信だ。量子暗号通信は守りたい情報を暗号化したり、解読したりするための「鍵」を工夫したものだ。光の粒である「光子」の特性を利用して送ると、だれかが鍵の情報を盗もうとした際、その痕跡が分かる。暗号の不正な解読は不可能とされる。東芝の強
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