米製薬バイオジェンは5日、2020年初めに米国で承認申請すると発表していたアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、投与した患者の認知機能の低下スピードが2割ほど遅くなったとする臨床試験(治験)のデータを学会で発表した。この薬はエーザイと共同開発している。米当局がこの効果を認めれば、アルツハイマー病の進行を抑える世界で初めての薬となる。米カリフォルニア州サンディエゴで開かれている国際学
東京大学のチームは体内に潜伏中のウイルスを追っていた。ついに健康な人の全身に少なくとも39種類のウイルスが居着いていることを突き止めた。肺や肝臓など主な27カ所で、感染を免れていた組織はゼロ。想像を超える種類のウイルスは、脳や心臓にまで侵入していた。ウイルスは人間や動物の体内でたちまち増え、すぐに体をむしばむ印象が強い。発病していない「健康な感染者」の存在は、感染症と闘ってきた人間社会にウイルスとの新たな向き合い方を迫っている。【「驚異のウイルスたち」前回記事】悪のウイルス、悪を制す 病魔と闘い害虫も駆除「健康な人に病原体としてのウイルスが思った以上に『常在』していて驚いた。全身で網羅的に調べたのは世界初だろう」。6月4日、東大医科学研究所の佐藤佳准教授らは解析結果を発表した。健康な人の体を生存中に隅々まで調べるのはふつうは無理だ。ところが事故などで健康のまま亡くなった547人のデータが
日米の外務、経済閣僚が経済分野の議論を行う新たな協議の枠組み、いわゆる経済版の「2プラス2」の初会合が日本時間の29日夜、ワシントンで開かれます。会合では半導体の安定供給がテーマになっていて、政府はアメリカとの共同開発を視野に次世代の半導体の研究開発拠点を新たに整備する方針を表明することがわかりました。 日米両政府による経済版の「2プラス2」は、日本時間の29日夜、ワシントンで初会合が行われ、日本からは林外務大臣と萩生田経済産業大臣が、アメリカからはブリンケン国務長官とレモンド商務長官が出席します。 会合では、ロシアによる軍事侵攻や中国が覇権主義的な動きを強めていることを念頭に、世界的に不足している半導体の安定供給に向けた対策など、経済安全保障をめぐるテーマが議論される見通しです。 こうした中、政府は、次世代の半導体の国産化に向けて官民あげた組織を年内に立ち上げ、そのための研究開発拠点を新
氷河であることが判明した白馬村にある北アルプス・唐松岳の雪渓で、氷河が動いた距離を測るために去年設置したポールが雪崩などに巻き込まれず残っていたことがわかり、調査団では「氷河の特徴を解明する貴重なデータが得られる可能性がある」としています。 白馬村にある北アルプス・唐松岳の「唐松沢雪渓」は、新潟大学などの調査で氷河であることが今月、確認されました。 調査団が22日にかけて改めて現地調査をしたところ、氷河が移動した距離を測るために去年9月に5か所に設置したポールはすべて残っていたということです。 調査団によりますと、これまでに国内で確認されている6か所の氷河では、ポールは雪に埋もれたり雪崩に巻き込まれたりして十分な観測ができませんでした。 調査団では、残っていたポールの先端に「GNSS」という人工衛星を利用した観測機器を取り付けて位置情報を調べ、今後、測量したデータを詳しく解析することにして
孤独を感じて仲間を求める行動をする際に、脳の中で起きる神経の反応をマウスの実験で突き止めたと理化学研究所などのグループが発表しました。 反応が起きないようにすると仲間に接触しようとする行動が減ったということで、孤独を感じる脳の仕組みの解明につながるとしています。 マウスはヒトと同じように仲間を求める行動をとる性質があり、孤独によって病気が悪化することが知られています。 理化学研究所などのグループは、この仕組みを解明しようとメスのマウスを仲間がいるケージから隔離して脳の反応を詳しく調べました。 その結果、脳の中で子育てをするときに働く「内側視索前野中央部」(ないそくしさくぜんやちゅおうぶ)という部位の中で「アミリン」という分子を出す神経細胞が隔離から2日で半減、6日たつとほぼなくなり、再び仲間の元に戻すと、2週間ほどで元に戻ったということです。 柵越しに仲間が見えるようにしてもこの細胞は減少
「経過は順調だ」。大阪大学の澤芳樹教授らは2020年12月、iPS細胞から作った「心筋シート」を重い心臓病の患者に移植する世界初の手術を3人に実施したことを報告した。19年末に始めた医師主導臨床試験(治験)は前半を終えた。iPS細胞の臨床応用は広がっている。心臓病のほか加齢黄斑変性など目の病気、パーキンソン病、がんなどの治療を目指す臨床研究や治験が進む。安全性や効果を示せるかが注目されている。【前回記事】京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の作製法をマウスで発見したのは06年。山中教授は12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。政府は13年、iPS細胞を使う再生医療の実現に向け、10年間で1100億円という巨額の投資を決めた。皮膚などの体の細胞から胚性幹細胞(ES細胞)のような万能細胞を作るという山中教授の発想は斬新なものだった。研究計画を審査した岸本忠三・阪大特任教授が可能性に注目するなど
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