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ブックマーク / 9bit.99ing.net (6)

  • モンロー・ビアズリー「視覚芸術における再現」 - 9bit

    『分析美学基論文集』所収のビアズリー「視覚芸術における再現」のまとめです。 明晰で整理された内容のわりに、文章は読みづらかったというか、長くてしんどかったので、まとめる意義もそれなりにあろうかと思います。 モンロー・ビアズリー「視覚芸術における再現」相澤照明訳、西村清和編・監訳『分析美学基論文集』所収、173–243、2015(Monroe C. Beardsley, "Representation in the Visual Arts," in Aesthetics: Problems in the Philosophy of Criticism, 267–317, New York: Harcourt, Brace & World, 1958.) 絵についてなにか言うときの諸概念や焦点が整理・分類されている章です。たとえば美術史の人が絵の構造を記述・分析するときの基的な概念的枠組

    モンロー・ビアズリー「視覚芸術における再現」 - 9bit
  • 作者の意図と作品の解釈 - 9bit

    作者の意図と作品の解釈の関係にかんする以下の論文がサーベイとして優秀だったので内容をまとめておきます。 Irvin, Sherri (2006). "Authors, Intentions, and Literary Meaning." Philosophy Compass 1(2): 114-128. [pdf] 分析美学では、文学作品の解釈とはどういうものか(あるいはどうあるべきか)の議論は、ニュークリティシズムの代表者であるWimsatt & Beardsley(1946)による意図主義批判とそれに対する意図主義者Hirsch(1967)からの反論から始まったこともあって、作者の意図と作品の解釈の関係をどう考えるかという論点を中心に展開してきた。 この論文では、この論点に対する諸説が以下のようにまとめられている。 極端な実際的意図主義(Extreme Actual Intention

    作者の意図と作品の解釈 - 9bit
  • ゲーム研究と「ナラティブ」 - 9bit

    「ナラティブ」(narrative)という用語がゲーム研究や周辺領域において使われる場合の留意事項いろいろ。たぶん偏っています。 以下、カタカナにする意味もあんまりないので「物語」で通します。 「物語」のいろいろな意味 イェスパー・ユールは、著書 Half-Real のなかで、「物語」という用語が「かなり細かく特定しないかぎりは実践的に無意味」になるくらい多様な用法を持っていることを指摘したうえで、そのうちの主要な用法を6つ挙げている(Juul 2005: 156-157)。 複数の出来事の提示(presentation)としての物語。これは、この言葉の原義かつ文字通りの意味、つまりストーリーを語ること(storytelling)である(Bordwell 1985; Chatman 1978)。 固定され(fixed)あらかじめ定められた(pre-determined)出来事連鎖としての物

    ゲーム研究と「ナラティブ」 - 9bit
  • 時の試練とスノビズム - 9bit

    いわゆる時の試練(the test of time)と美的判断の関係をどう考えるかというのが長らく懸案だったのだが、ぐぐってたまたまひっかかったなんかの事典の「美的価値」の項目を眺めてたらいい考えがひらめいた気がするのでメモっておく(すでに誰かが同じようなことを言ってるかどうかはしらない)。 読んでたのはこれ。 Levno Plato & Aaron Meskin. "Aesthetic Value." Unedited draft of entry on Aesthetic Value forthcoming in Encylopedia of Quality of Life Research (Springer 2013). [doc] 以下の内容には直接関係ないが、とてもわかりやすくていい文章。 時の試練は、美的価値の高い作品は時代を超えて高評価されるよねという直観を拾う概念で、ヒュ

    時の試練とスノビズム - 9bit
  • ダントーの「アートワールド」は後半が面白い - 9bit

    昨日の勉強会で話題にのぼったのでまとめておきます。 ダントーの有名なアートワールド論文は、前半部分、つまり、芸術の定義にかかわる「アートワールド」概念や、芸術作品の同一性や解釈にかかわる不可識別性の議論ばかり取り上げられる印象があるけど、実は後半部分のほうがおもろいんやで、という話。 Arthur C. Danto, "The Artworld," The Journal of Philosophy 61 (1964): 571-584. 扱うのは4節です。3節までで芸術作品を可能にしているのは理論なのだーという主張をくどくどしたあとに、ダントーはそのような理論が実際に作品やその経験にどのようなしかたで関係するのかについてわりと唐突に議論しはじめます。 ダントーはまず「種類Kに関連ある述語」(K-relevant predicates)という概念を導入する。これは「Kに属する諸対象に、意味

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  • 画像表象のサーベイ論文 (3) - 9bit

    ひきつづき、画像表象のサーベイ論文(Kulvicki 2006b)の紹介です。 今回は、基的にKulvicki自身の構造説(Kulvicki 2003; 2006a)の内容。このサーベイ論文では書いてないが、Kulvickiが提示する画像表象の個別に必要かつあわせて十分な条件は、以下の4つ: (1) 相対的充満(relative repleteness) (2) 統語論的敏感(syntactic sensitivity) (3) 意味論的豊富(semantic richness) (4) 透明性(transparency) (1)(2)(3)はグッドマンの相対的充満、統語論的稠密、意味論的稠密をそれぞれ修正したものなので、グッドマンとKulvickiの決定的なちがいは、(4)の透明性ということになる。 以下、論文の内容。〔〕内と注と小見出しは補足。 Kulvickiの構造説 透明性 グッ

    画像表象のサーベイ論文 (3) - 9bit
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