<健康な脳のつくり方(1)脳をバランスよく使う> 何も考えない時間をつくろう 知っていたはずの漢字や人の名前がなかなか出てこなかったり、記憶力の低下を実感すると不安になるもの。千葉大学脳神経外科学の岩立康男教授は「歳を重ねると少しずつ脳の細胞は減っていくので、確かに情報を処理する能力や記憶できる総量は減る」という。 ただし、もの忘れすべてが脳細胞の減少によるものではないという。「記憶というのはどんどん上書きされるものではなく、新たに入ってきた情報は新しい記憶として保存される。長く生きれば膨大な量の記憶が保存されるので記憶を保存する場所も少なくなるし、普段思い返すことのない古い情報は埋もれて取り出しにくくなる」。 「だから、新しいことがなかなか覚えられなかったり、普段使わない記憶がすぐに引き出しにくかったりするのは記憶の量が増えてくると当たり前のこと」と岩立教授は説明する。大して使いもしない