世論調査でわかる支持率とは、実のところ、人々の漠然とした気分が作り出すさざ波に過ぎないのかもしれません。そのさざ波に特別な意味があるならば、それはやがて来る選挙で既存の議員を落選させて、解雇する力を秘めている点においてでしょう。既存の議員は先の選挙で議席を勝ち得た人たちです。ですから今の支持率を読むときに先の選挙との落差を見ることは、単なる「高い」「低い」という印象をこえた実力評価となるわけです。 次の図を見て下さい。この図の曲線は、原則として過去11年あまりで実施された全ての世論調査をもとにして描いた、現状入手しうる最も精密な内閣支持率のトレンドです。図には「前回衆院選水準」として、第49回衆院選(2021年)の投票日当日のラインを示しました。現在の水準は当時より26.5ポイント低くなっています。(なお「ポイント」とは、%で表された値の差を表す単位です。たとえば2%から5%になった場合は