執筆者 斎藤 勲 地方衛生研究所や生協などで40年近く残留農薬等食品分析に従事。広く食品の残留物質などに関心をもって生活している。 新・斎藤くんの残留農薬分析 斎藤 勲 2019年9月25日 水曜日 キーワード:農薬 食品中の残留農薬分析法は大きく2種類に分けることができる。ある特定(1種類又はグループ)の農薬を対象とする単成分分析法と、多くの農薬を対象として分析を行う多成分一斉分析法である。多くの人は残留農薬分析法というと、後者を思い浮かべるだろう。 確かに食品衛生法の残留基準の検査では、多成分一斉分析法で基準のある農薬、基準のない農薬(一律基準対象)をひっくるめて分析しているし、一つの農薬がそれぞれの食品に様々な基準を持っている法体系ではこの方法が一番適している。多くの地方自治体や検疫所、農業関係、大手の食品メーカーや物流関連企業ではこの方法で食品の安全性を確認している。それでは、前者