大阪市長という重要な業務を担いながら、国政政党の党首もつとめるなど無理である。「大阪維新の会」を率いる橋下徹氏は、党首か市長いずれかに専念すべきだ。 維新の会は8日の全体会議で、国政への進出を正式に決めた。近く立ち上げる新党「日本維新の会」の党首には、橋下氏が市長のまま就任する。幹事長を兼ねる松井一郎大阪府知事とともに、2人の地方首長が国会議員を指示していくという極めて異例の党運営だ。 「二足のわらじ」について、橋下氏は「誰もやったことがないので、『やっていく』としか言いようがない」としている。認識が甘いのではないか。 外交や安全保障、治安の確保や教育、産業の振興、さらには災害などの緊急事態もある。国政上の諸課題への対応を決断することは、市長の傍らでこなせるほど簡単ではない。 そもそも、国会に議席を持たない者が国政政党の党首をつとめること自体に、強い違和感を覚える。しかも世論調査によれば、