■要旨 1――低迷を続ける中国の不動産市場 中国では不動産不況になかなか歯止めが掛からない。販売面積は直近ピークの6割ほどまで減少し、価格も下落を続けている。中国はこれまで何度も不動産不況を経験している。しかし販売にしても下落幅にしても在庫にしても過去のそれよりはるかに深刻だ。そして不動産業の成長率は2年連続でマイナスとなり、多くの不動産デベロッパーが経営不安に直面する事態となった。こうした不動産不況は、日本が1990年代に経験した不動産バブル崩壊と類似した面が多々ある。 2――日本における不動産バブル「形成」とその「崩壊・後始末」 日本でバブル形成が始まったのは1987年頃だった。「プラザ合意」後の大幅利下げで「財テク」ブームが起きた日本では、不動産デベロッパーや一般企業・個人、さらには金融機関も巻き込んでバブルを謳歌することとなった。それが崩壊したのは1990年前後だった。利上げや総量