『ポートピア連続殺人事件』の数々の革新性(前編リンク)、そして『オホーツクに消ゆ』の登場によってコマンド選択型と場面転換、映像的演出が体系化され、日本のアドベンチャーゲームはよりドラマティックなものに変化していった(中編リンク)。『オホーツクに消ゆ』のヒットは、従来のコマンド入力型と東西南北の地続きの空間を旧来のスタイルへと変えるインパクトがあった。さらにコマンド選択型を導入したファミコン版『ポートピア連続殺人事件』がヒットし、PCでも家庭用ゲーム機でもコマンド選択型が主流になっていく。その流れはリバーヒルソフトの『殺人倶楽部』(86年)でさらに決定的なものになった。とはいえ、コマンド入力型がすぐさま淘汰されたわけではない。シンキングラビットはコマンド入力型にこだわりを見せており、『道化師殺人事件』(85年)、『カサブランカに愛を』(86年)、『マデリーン』(87年)とコマンド入力型を80