ビデオゲームの語り部たち 第6部:誰よりもプレイヤーに近い場所でゲーム業界を支え続けたゲームズマーヤの足跡 ライター:黒川文雄 日本における家庭用ゲームの歴史が始まったのはいつだろうか。人によって見解は異なるだろうが,筆者は1983年7月15日だと考えている。理由はもちろん,この日発売となった任天堂のファミリーコンピュータ(以下,ファミコン)なのだが,セガ・エンタープライゼスからSG-1000が発売されたのも,この日なのだ。 それから35年近くが経過した2018年4月8日,東京都江戸川区中葛西にあるゲームショップ「ゲームズマーヤ」が閉店した。 決して大型店とは言えない規模であるにもかかわらず,著名なクリエイターが参加するイベントが多く開かれ,広くその名を知られた同店は,ゲームメーカーとプレイヤーたちをつなぐ役割を果たし,家庭用ゲームビジネスを“現場”で支え続けてきた。 今回の「ビデオゲーム