周知の事だが日本経済にはデフレや円高よりも大きな問題がある。労働人口の減少だ。古典的な経済モデル(ソロー・モデル)で考えれば、労働人口が減少すると一時的には労働生産性が伸びるが、老人は貯蓄を消費に転嫁するため資本蓄積も低下し、さらに全体として経済成長率は低下してしまう。 一人あたりの生産量が増えていけば良いように思うが、年金や政府債務を考えるとそうも言っていられない。問題解決の方法は大きく二つある。(1)労働者が死ぬまで働く。(2)人口を増やしてしまう。(2)が可能かを考察してみよう。 1. 女性の社会進出だけが特殊出生率を決定していない 女性の社会的地位向上による影響で、少子化が進んでいると言う主張がある。女性の社会進出で婚期が遅れ、またキャリア上の不利になるので出生数が減少していると言うような説明だ。ある程度の説得力を持つが、日本よりも女性の社会進出が進んだ国でも、日本よりは婚期が早く