福田康夫首相は2日、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた国家公務員合同初任研修の開講式に出席した。「キャリア組」と呼ばれるI種に採用された約660人を前に訓示し、「偉い人や政治家のためではなく、国民のために仕事をする気持ちをしっかり持ってほしい」と述べた。 首相は最近の年金記録問題などを挙げ、「国民のことを今まで考えていなかった弊害がいろいろなところで現れ、直していくことが必要だ」と訴えた。また「民間人とは違う立場にいる。給料も仕事も生活もすべて税金だ」とも述べ、「国民に奉仕する」公務員としての自覚を繰り返し促した。 ただ、「一生公務員でいられる保証がある。景気が悪くなっても倒産する心配もしないで済むことは大変なメリットだ。安心して、仕事に打ち込んでほしい」との軽口も飛び出した。