「誰が彼女を見てたのよ!! いったい何てことしてくれたの! あああああ、こんな大きなコブが出来てるじゃないっ、あんたたちどうしてくれるのよ!!!!」 託児所の終了時間に娘を迎えに来た極道児リアーナの母親は半狂乱になって叫んでいた。 ガキどもが突き倒し合う、殴り合うなどの暴力ではたいした騒ぎにはならない底辺託児所だが、戸外で転ぶ、滑り台やジャングルジムなどから落ちる、といった事故で子供たちが怪我をすると、親たちが血相を変えて大騒ぎすることになる。 確かに、幼児同士が押し合ったりどつき合ったりする時の力の強さに比べれば、全速力で走っていて転ぶとかブランコから落ちるとかいう事故の方が深刻な傷になる確率が高く、それで親たちが心配するという理由もあるが、底辺託児所の場合には別の事情がある。 それは、ソーシャルワーカーが出入りしている家庭の子が多いということなのである。 極道児リアーナの家庭もその例に