「そうは言っても気になるものはしょうがない」 彼女は淡々とした口調でどんよりした空の上で言った。 「アレが存在することが、現在の我々と何らかの関係があることだけは確か…だから調査を行うことの何がいけないの?」 そう別に興味がないわけではない。ただ既に機械と体をなした祈り手たちの熾烈な抵抗を遮ってまで行うことなのだろうか。彼らはたとえ血と肉を失っても、魂に導かれるがままに働いている。何のために?分からない、でも意志がないなどと誰が言えようか?現にこうして逡巡する我々自体も行動という面で見れば彼らと違わないのだから。時折、烈火のごとく攻勢を見せたかと思えば、何かに迷い、口をつぐんだように無抵抗であることも珍しくない。 「調べること自体に反対はしない」と頼りなさげにつぶやく。 「でも、彼らの考え方にだって理由はあるんじゃないんのか?」 「考え方?」彼女は明らかに馬鹿にしたように聞き返す。 そうだ
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