傷害事件で無罪が確定した大阪府内の男性(40)が、逮捕時の朝日新聞の記事に誤りがあり、名誉を傷つけられたなどとして、朝日新聞社と報道発表した府(府警)に計720万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、大阪地裁であった。 黒野功久(よしひさ)裁判長は、記事の一部が真実ではなかったとして、同社に22万円の賠償を命じた。府に対する請求は棄却した。 判決によると、男性は2008年12月、ジョギング中の男性を殴ってけがをさせたとして府警に殺人未遂容疑で逮捕され、傷害罪で起訴されたが、1、2審とも無罪判決を言い渡された。 黒野裁判長は、男性の逮捕を報じた朝日新聞の同6日付朝刊記事に関し、「現場の防犯カメラに(男性に)似た男が映っていた」との記述について、「現場に防犯カメラはなく真実ではない」と指摘。府警の発表とも異なるとし、「男性への嫌疑が強い根拠に基づくものだと印象づける」とした。 朝日新聞社広報