政治と多様性を、選択的夫婦別姓から考える——。再開した夫婦別姓の議論と、自民党内の様子を前編・中編で取り上げてきた。最終回は野党の見方、言い分だ。 北条政子は「源」姓を名乗る必要がなかった立憲民主党の枝野幸男代表は、これまで何度も、夫婦別姓法案を野党として国会に提出した際の提案者となってきた。彼の目に自民党の夫婦別姓議論はどう映っているのか。また、野党としてどう夫婦別姓の問題に対応してきたのか。彼の話から見えてくるのは足元のリアル政治、リアル選挙の姿だ。 枝野氏は一貫して「多様性ある政治」を掲げている。そんな彼にとって、選択的夫婦別姓は当たり前のことで、「こんなことで議論をしているなんて意味がわからない」となる(ちなみに枝野氏は夫婦そろって「枝野」姓であり、選択的夫婦別姓が実現しても、そのままだそうだ)。 「夫婦が同姓になったのは、たかだか明治以来の150年にすぎないですよね。たとえば鎌倉