「2020年度は新たなランサムウエアによる攻撃やサプライチェーン攻撃が目立った」――。このように話すのは「情報セキュリティ白書2021」の編集に携わった情報処理推進機構(IPA)の小川隆一セキュリティセンター セキュリティ対策推進部 シニアエキスパートだ。 2021年7月30日にIPAが発刊した情報セキュリティ白書2021は、2020年度(2020年4月~2021年3月)に発生した情報セキュリティーに関する事柄を網羅的に取り上げている。この期間に発生したサイバー攻撃によるインシデント(事件・事故)や被害実態、セキュリティー政策の状況などを把握できる。 ランサムウエアによる攻撃が進化 中でも新たな脅威として取り上げているのが「新たなランサムウエア攻撃」だ。ランサムウエアはパソコンの共有フォルダーなどに保管されたファイルを暗号化したり、画面をロックしたりしてパソコンやファイルを使用不可にするウ