資本主義経済というシステムは、かんたんにえば、誰かが『借金』をしてくれるから成立しています。もっとも、借金というもの言いは身もフタもない感じで不適切。本当は『負債』という表現がふさわしいのですが。 この負債と『資産』は常に同額でつり合っています。GDPが成長するということは、この資産と負債のバランスシートがどんどん膨らんでいくという現象を伴ないます。だから本来、国の借金というものは原則として、経済が成長するほど膨らんでいきます。 むろん外貨を稼げばその分、負債は他国に付け替えられることに。しかしこれは『グローバルインバランス』という根源的な問題を生むのであまりにバランスを欠いても、それはそれで持続不可能ということになります。 このように考えると、現代資本主義経済は決定的な欠点を抱えている持続不可能なシステムのように思えますが、とにかく今、私たちはこうしたゲームのルールの上で暮らしています。