曖昧な契約が原因で部下を失った私 しかし、そんなことが言えるのは、あくまでプロジェクトがうまくいってのことです。「ITプロジェクトの成功率は5割」といまだに言われることを考え合わせると、こうした曖昧な契約形態の裏で泣く受注者のエンジニアがたくさんいることも想像に難くありません。実は私も、曖昧な契約が原因で、部下を退職に追い込んでしまった経験があります。 金融機関の基幹系システムを開発するプロジェクトで、私は部下5人を準委任契約で客先に常駐させました。私は別のプロジェクトと掛け持ちだったので、部下たちは他のマネジャーの下で働くことになりました。 実際に作業をしてみると、このプロジェクトはかなり筋が悪かった。当初から無理なスケジュールだった上に、外部接続する他システムとのインタフェース仕様が決まらなかったり、テスト段階になっても顧客からは新しい要望が出続けたりして、スケジュールは遅れに遅れまし