さわやかな「わたし」 よりみちのススメ 旅立てジャック あたりまえの能力 イライラは天気や体調のせいかもね 新しいデカルト 作者:渡仲 幸利メディア: 単行本 さわやかな「わたし」 あえてこういおう。社会にはひとかけらの精神もないのである。だから、けっして考えさせられるな。「わたし」に帰れ。考えさせられるのでなく、考えよ。デカルトの「わたし」、あのさわやかな「わたし」、これだけが、たんに人為的なまとまりにすぎない諸々の体系に開いて閉じることのない、異質な風穴なのだ。 異なる存在をも異なる体系をもまったく恐るべき冷たさで飲み込んで均して、自分の陣地の拡張をしつづけるこの世界にあって、ただ一つ、そこからまぬがれつづけて、びくともしないもの、それが、デカルトの「わたし」である。 デカルトは、ときに「わたし」と呼ばずに、「良識」とも呼んだが、こういう「わたし」とは、この世界のことであり、存在のこと
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