原子力発電の継続については、まさに今、国民としての再選択が始まろうとしています。しかし、原子力発電の継続を主張するにしろ、段階的縮小を主張するにしろ、即時あるいは段階的な廃止を主張するにしろ、冷静な事実認識に基づき感情を排した議論を醸成していかないと、国民としての判断を誤る可能性がある、そのような危機感から、今回は、一言申し述べようという趣旨ですね。 初めに、誤解を受けないように、まずは、私自身の立場を明らかにしておきます。 原子力発電については、私は、賛成でも反対でもありません。どちらかといえば、職業柄もあると思いますが、経済合理性の尊重と科学技術への信頼という楽天的かつ資本主義的な思考の傾きをもつものですから、日本全体の電源構成における原子力の位置は、段階的縮小へ向かうにしろ、当面は維持されることになるのではないか、と考えております。 一方、国民的選択として、できるだけ早い時期(即時は