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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (48)

  • オーウェル「バーナム再考:現状追認知識人の権力崇拝とその弊害」(1946) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary ジョージ・オーウェルが、第二次世界大戦中および大戦後に人気を博した通俗評論家バーナム『管理職革命』『マキャベリ主義者たち』を徹底的に批判した書評的エッセイ。バーナムは、マキャベリを引き合いに出して、政治は常にエリートのだましあいの権力奪取で大衆は奴隷、イデオロギーなんて大衆動員の口実、パワーこそ正義、と冷徹なリアリストを気取ってみせた。この見立てを元に、バーナムはドイツが勝っているときはナチスこそ新世界秩序の盟主、ソ連なんか一撃でおしまい、抵抗するな、受け入れよと説いたくせに、数年後にドイツが負け始めたら、ソ連最強でスターリン社会主義が世界を支配する、と手のひら返しを演じて見せた。だがこれは「知識人」にきわめてありがちな態度で、彼らに蔓延する敗北主義の根底でもある。「リアリズム」と称しつつ、臆病な現状追認の権力すりより行動でしかないのだ。根底にある社会の

    オーウェル「バーナム再考:現状追認知識人の権力崇拝とその弊害」(1946) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    rgfx
    rgfx 2023/12/08
    あー今日バチ切れてらした件か ref:"オーウェルは、(強い国に従えと言った)安易な風見鶏は無意味、それを「リアリズム」と称して悦に入るのはバカ、と述べている。" https://twitter.com/hiyori13/status/1732725532566163775
  • オーウェル『1984年』全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Big Brother is Watching YOU!!! 2023年の年頭に宣言した通り、オーウェル『1984年』の全訳をあげました。 genpaku.org html版と、pdf版があるので、まあお好きに。当然、クリエイティブコモンズなので、自由にお使いください。個人的にはいま出版されているどの翻訳よりもいいとは思うが、それは趣味もあるでしょう。商業出版したいとかいうところはあるかなー。なければ自分で電子ブックでも作って売ろう。 追記:商業出版したいというところが出てきたので (まだ確定ではありません) 、いまのうちにダウンロードしたりあちこちにばらまいたりしておくといいと思うぞ。(11/28) ビッグ・ブラザーのポスターでもトップにかざろうかと思ったけれど、みんなおどろおどろしいものばかりで、小説の記述に即したニュートラルなものがあまりないので少しびっくり。 訳していて、いろいろ含

    オーウェル『1984年』全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2023/11/25
  • プーチン大統領と親しくお話をするエドワード・スノーデン (2014) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ご存じかもしれないけれど、ぼくはエドワード・スノーデンの自伝を訳した。 スノーデン 独白 消せない記録 作者:エドワード・スノーデン河出書房新社Amazon それなりにおもしろい伝記ではある。まあその後ちょっとあまり楽しくないできごともあったりして、がんばって宣伝しようという気持が萎えてしまった部分はある。しかし彼がそれなりの正義感を持ってNSAによる大量監視システムを暴露したのはまちがいないし、個人的にはそれが大変勇敢で立派なことだと思っている。 ただこの伝記の中で、彼はずっとロシアとの接触が一切なかったと述べている。ロシアに留まったのは、飛行機に乗っているときにパスポートをアメリカが取り消して、身動き取れなくなっただけだ。だからそれはまったくの偶然にすぎない。その行き場を失ったシェレメーチエヴォ国際空港でも、ロシアとは一切関わりを持たず、FSBが接触してきたときもそれをかたくなに拒絶し

    プーチン大統領と親しくお話をするエドワード・スノーデン (2014) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    rgfx
    rgfx 2023/03/30
    「彼がロシアの差し金でNSAの暴露をしたということではない。彼がロシアと接触した (可能性がある) のは、香港で逃げ場を探す中でのことらしい。が、それでもね。」
  • ケインズ『繁栄の手段』(1933) やっちゃった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ケインズ『戦費調達の方法』(1940) をやったついでに、全集でセット販売されてる『繁栄の手段』(1933) もやってしまったけど、全部書いてあるじゃん。これだけ読んで理解すればもう十分でしょう。「金融緩和だけで云々」「波及経路が」とか聞いた風な口きくまでもなく終わりじゃん。すべて書いてあるではないの。 ケインズ『繁栄の手段』 (1933) pdf 470kB 能書きはまた後で書くが。 飛行機の搭乗直前に急いであげてアップしたので まちがいや誤変換あると思うので、気がついたらご教示ください!

    ケインズ『繁栄の手段』(1933) やっちゃった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2023/01/12
  • フォーゲル他『十字架の時:アメリカ奴隷制の経済学』:おもろいでー。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ポランニーで、ダホメの輸出側の奴隷事情を見ました。 cruel.hatenablog.com それで奴隷に興味が出てフォーゲルの『十字架の時:アメリカ奴隷制の経済学』を読み始め、訳し始めてしまいました。まだ前半だけ。もちろん、フォーゲルはずいぶん長生きしたし、翻訳権は当分フリーにならないので、みなさんは読んではいけません。以下にあるけれど、見ないように。 フォーゲル&エンガーマン『十字架の時:アメリカ黒人奴隷制の経済学』(まだ前半だけ、pdf18MB) なぜか知らないが、目次のハイパーリンクがずれていて、きちんと当該の章にジャンプしなくなっている。もちろん、みなさんはご覧にならないでしょうから関係ないけれど。あと、Excelで作り直したグラフの相当分は、目分量で原著のグラフから数字を読み取って再現したものなので、完全に厳密ではありません。プラマイ3%くらいの誤差はあるはず。 著作権を遵守す

    フォーゲル他『十字架の時:アメリカ奴隷制の経済学』:おもろいでー。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2022/06/18
    なんとなく南大東島をおもいだしている
  • ロシア帝国300周年記念に寄せて (2022/02/04): ロシア停戦交渉団親分の「帝国バンザイ!」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    我らが偉大なhicksian 様のこのツイートで紹介されていたブログ記事、とてもおもしろい。 broadstreet.blog この著者はMITのソ連ロシア史教授、エリザベス・ウッズ。プーチンは、ヒル&ガディの現時点ではベストなプーチン伝「プーチンの世界」で紹介されている、「プーチンは歴史の男だ」というまとめを敷衍して、その「歴史」というのがおとぎ話に近いネトウヨ妄想なのだ、という点を指摘している。 プーチンの世界―「皇帝」になった工作員― 作者:フィオナ・ヒル,クリフォード・G・ガディ新潮社Amazon このブログでは、その妄想ぶりについてかなり細かく指摘されているけれど、基的にはこれまでしょっちゅうお目にかかった、大ロシア帝国復活こそが歴史的必然であり、民族の悲願なのであり、それを西側がじゃましくさっておるのよ、という話。いやそれよりひどくて、ロシアは昔から、優しい民主的な共存共栄の

    ロシア帝国300周年記念に寄せて (2022/02/04): ロシア停戦交渉団親分の「帝国バンザイ!」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2022/03/09
    「言わば、八紘一宇のロシア版そのものです。ロシアの帝国はよい帝国!」満州を名乗って五族協和やってたのと変わんねえええ
  • ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者まえがき まちがって公開されたとおぼしき、ロシアウクライナ征服に成功していた場合のロシア国営通信 RIA予定稿の全訳。すぐに引っ込められたが、Wayback Machineにしっかり捕捉されていた。すごい代物。いくらでも言いたいことはあるが、読めば多くの人は同じことを考えるだろうし、ある100年近く前のドイツの人が書いた文章との類似も明らかだとは思う。 以下のツイート経由で存在を知った。ありがとうございます! 1 “The resolution of the Ukraine question.” A mistakenly published Russian article gives us a chilling insight into the neo-imperialist thinking in Russia that drives Putin’s decision to inv

    ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2022/03/02
  • diffとしての表現、あるいはほぼあらゆる (人間的な) 価値は、逸脱である - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 多くのものはいまや、価値が来の機能ではなく、それ以外の来の機能との差分/diffに宿るようになっている。酒はもともとアルコールの酩酊感のためのものだが、いまやアルコール以外の不純物がお酒の味の主役になっている。事は栄養摂取が来の機能だが、グルメ料理はそれを離れ、単なる舌や感覚への刺激だけを重視するようになっている。 今後、そうした部分が増えるのではないか。車もバイクも、「味わい」とされるのはニュートラルな移動機能から逸脱した歪み。いずれ、そうした部分だけソフトウェアなどで再現されてそれだけが分離されて取引され、その土台となるハード/来の機能部分はコモディティ化してどんどん低価格化する世界がやってくるのではないか? ジャクソン・ポロックなどある種の芸術は、いちはやくそうした diff だけの世界を予見しているようでもある。 かなり前から考えている

    diffとしての表現、あるいはほぼあらゆる (人間的な) 価値は、逸脱である - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2021/09/29
    人の変化(≒価値創造?)は貨幣価値に依るものとアイデンティティに依るものがあるけど、後者(や、他人のアイデンティティへの共感)を全てただのdiffと呼び捨ててしまえばそうなるだろうなあ。
  • キューバの経済 part 4: 社会主義/共産主義経済の全体像 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    1. キューバ再び:経済危機のさなか さて久々にキューバにきているのだけれど、キューバはいますごいことになっている。まず、アメリカの制裁がどんどん厳しくなり、各種の船はキューバに寄っただけで嫌がらせされ、キューバへのフライトもどんどん潰された。おかげで観光客は激減。FDIもやたらに支障をきたす状態。料やガソリンの不足はとんでもない状況だ。 さらにコロナ。2020年夏に、一時抑え込んで、われコロナに勝利せり、と叫んだらすぐに第二波がはじまり、さらに今年に入って爆発。人口一千万強のキューバで、一日千人規模……だったのが6月にさらに爆発して一日三千人の新規患者数だ。おかげでレストランはテイクアウトのみ。夜8時から朝5時まで外出禁止。 さらにトランプがイタチの最後っ屁で、今年一月にキューバをテロ支援国認定してしまったので、特に銀行のドル送金ルートがほぼ完全に断たれてしまった。キューバ相手のドル取

    キューバの経済 part 4: 社会主義/共産主義経済の全体像 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2021/07/04
  • コロナなんかどうでもいいから石岡瑛子展に行きなさい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary この展覧会を前にしてどうでもよくないと思う人は、豚に真珠もいいとこだから観に行かないほうがいいよ。 はじめに 先日、無料券をもらったので石岡瑛子展にでかけてきたのです。 www.mot-art-museum.jp ぼくは石岡瑛子は昔からとても好き、というか崇めていて、『風姿花伝』も持っているし、『私デザイン』も持っていて、何度も見ている。 石岡瑛子風姿花伝―Eiko by Eiko 作者:石岡 瑛子求竜堂Amazon 私 デザイン 作者:石岡 瑛子講談社Amazon だから別に今回の展覧会で何か新しい発見があるとは特に思っていなかった。いろんな衣装の実物があるというのは聞いていて、それは楽しみだったかな。でもまあ、知っていることのおさらいだろうと思っていた。 ちがった。すげえ。みなさんも是非行きなさい。 いまなお衝撃力を保つバブル期広告作品 まず入ると、

    コロナなんかどうでもいいから石岡瑛子展に行きなさい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2020/12/08
    はい。これは見に行かなきゃならんだろうなあ。。
  • スターリン閣下はお怒りのようです:インタビューの読み方説明 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    付記:なんか多くの人が、これを2020年10月の学術会議がらみの一件に対する批評的な意図を持ったものだと読んでいるようなんだが、ぼくは実はまるでそんなことを考えていたわけではないのだよ。ホント、たまたま出てきただけなのよ。が、もちろんそういう解釈があり得ることはわからなくはない。そして、それが決して的外れな解釈ではないのも事実。でも、それだけですませてしまうにはもったいない。中身の理解と、その時事的な応用は分けないと。山形がある意味でのさばっているのも、一方であり得るほどはのさばっていないのも、実はある種の文書化された状況や力関係の解読は結構うまい一方、まさに以下で書いたような現実の場でのガンつけに異様に鈍感な部分があるからで、そういう時事的な話にヘタに乗れない/乗らないから、なのだ。そしていまの日の環境ではそうした空気の読まなさ/読めなさが、すぐに寒いところ送りにはつながらないどころか

    スターリン閣下はお怒りのようです:インタビューの読み方説明 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2020/10/15
  • 偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ

    偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2020/10/14
  • Qubes OS 4.0 を Lenovo Thinkpad X250 にインストールしてみた - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    (See the English version here) Qubes4.0 on Lenovo X250 Qubes OSを、Lenovo Thinkpad X250にインストールしてみたので、ご報告。 2019年7月、ちょうどエドワード・スノーデンの自伝を訳し終えた。 prtimes.jp もちろんこういうのを読むとパラノイアになる。なんでもNSAの陰謀に思え、パソコンのカメラにはテープを貼る。一方で、パスワードマネージャを使ったり、メールをPGPで暗号化はしないまでも(だって受ける側が使ってないから)署名くらいはするようにした。 そして、スノーデンがこのでも推奨しているQubes も見てみることにした。 Qubes のインストールガイドは、家のドキュメンテーションも含め、ないわけじゃない。でもかなり専門的で特殊といえば特殊なOSで、いまのところインストールしようという人は、それ

    Qubes OS 4.0 を Lenovo Thinkpad X250 にインストールしてみた - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2020/09/08
    xenベース仮想化で、使用プロファイルごとに仮想マシンを分けて使う環境を実現しているプロジェクト。VM自体の脆弱性がキモかな。 https://www.qubes-os.org/news/
  • 格差の拡大は本当だろうか?——経済学者、格差の数字を見直す(The Economist より) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者口上:秋にピケティの新著が出たところで、The Economistの11/30号に格差についての議論を見直す研究についての話が出ていた。おもしろかったので勝手に翻訳。トップ層がすさまじく豊かになっているという見立ては、実はそんなに正しくないのではないか、という研究がどんどん出てきたというお話。ただし、どれも金持ちの豊かさ増大がピケティらの言うほどはすごくないかも、というだけで、金持ちが豊かになっていること自体を否定するものではないので念のため。なお、途中の見出しはオリジナル通りで、全部ある有名な曲の歌詞から。(山形浩生) www.economist.com 2011年にニューヨークのズコッティ公園での抗議デモに何千人もが集結する10年以上前、フランスのあまり有名でない経済学者が腰を据えて、所得格差についての新しい見方を扱った論文を書き始めた。「我々の研究の焦点は、トップ10%、トップ1

    格差の拡大は本当だろうか?——経済学者、格差の数字を見直す(The Economist より) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2019/11/29
  • 統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 統計の信頼性について疑問を呈した柳下毅一郎のツイートを、山形は一蹴した。が、その後勤労統計の集計方法の不備が露見した。ここから、この統計は捏造であり、それが相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログが出た。しかし統計は、一かゼロか、完璧かすべて捏造か、というものではない。またその相互の関係も、機械的な関係があるということではない。信頼性の非常に広い幅の中で上下するだけなので、実際にどんな不備があってどのくらい影響を及ぼすのかを具体的に考えないと、妥当性のない陰謀論に流れてしまうだけだ。 はじめに しばらく前に、柳下毅一郎がこんなツイートをした。 アベノミクスで経済がよくなってるとおっしゃるリフレ派の方々は、なぜ財務省の出す経済指標は捏造されてないと信じられるのだろうか。— Kiichiro Yanashita (@kiichiro)

    統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2019/01/28
    まあなんだ、「ヤバい経済学」も捏造が発覚する前に、統計の技術でデータの偏りを暴いて不正の疑いを告発したのがウケたんであってだね、なんてことを思っている。
  • 岩田規久男副総裁は黒田の尻を蹴飛ばしてリフレを十倍増させるべきだったと思う。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    稿の主張は、表題通り。岩田規久男は副総裁として、リフレの理論にもっともっと忠実に動き、黒田総裁を蹴飛ばしても締め上げても何をしてもいいので金融緩和をますます激化させてほしかったし、それができなかったのは不甲斐ないということだ。リフレ派の理論を十分に実践できなくて、あと一歩のところだけに情けないよ、ということ。おしまい。 で、その理由を簡単に説明しようか。 岩田規久男が、3月で日銀副総裁を退任した。お疲れ様でした……と言う気持ちはある一方で、正直いって岩田規久男が日銀で何をやっていたのか、ぼくにはよくわからない。日銀の政策は基的に総裁がすべて決めるのであって、副総裁は総裁の方針には反対できないんだよ、と教えてくれた人々もいた。そうなのかもしれない。でも、そうなんですか? 当にそんなお飾りの、総裁のオウム役でしかないんですか? ぼくにはそれが解せないところだし、不満なところでもある。 リ

    岩田規久男副総裁は黒田の尻を蹴飛ばしてリフレを十倍増させるべきだったと思う。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2018/03/23
  • 新年プロジェクト2018: The Economy - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    あけおめ(死語)。昨年は当にろくでもない仕事が振ってきて、あまりのストレスで体重は一時5キロも減り (残念ながらその後リバウンド)、しかもそれが期間延長というトホホなことになって、秋に終わるはずが年内いっぱいかかり、ギリギリのところで何とか終えて、年末年始はほぼ脱力状態。おかげで去年はMake系のおもちゃもいじれなかったけれど、正月休みにそれをやるだけの気力もなくて、いやはやもう歳ですなー、なんか威勢のいいことをやるのも疲れたぜ〜〜 と思っていたところで読んだこんな話。 econ101.jp ほうほう、経済学の新しい枠組みね。 さて、ぼくは「従来の経済学ダメー」「新しい経済学だぜー」といった話にはあまりいい印象を持っていない。基、学問ってある程度は単純化による理解なので、すべて入ってないというだけで批判したことにはならないと思う。ここに挙がっている表を見ても、わかってて単純化した部分に

    新年プロジェクト2018: The Economy - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2018/01/04
    「オリジナルのMarkdownのソースがあるわけではない」あ、つらい。
  • うわべ「だけ」ではダメだけど、うわべがなくては始まりません。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    2017年12月になって、藤岡『ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ』の書評っぽい記事を書いて、それがネットに出た。 「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing) 作者: 藤岡淳一出版社/メーカー: インプレスR&D発売日: 2017/11/24メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る これはとってもよいで、それとその書評まがいを書いているときにちょうど、メイカー系中国関連有識者ライターたちが、「最近の深圳記事って安易だよねー」という話をしていたこともあって、このは安易な表層なでただけじゃないぞー、というのを強調する感じになった。で、それを受けて編集部も、こういうタイトルにしてくれた。 president.jp で、ぼくとしては「そうだそうだ」と(自分の記事だから)思う一方で、ちょっとこ

    うわべ「だけ」ではダメだけど、うわべがなくては始まりません。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2017/12/22
  • ブレードランナー2049を見てきて…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんだか先週で、東京ではいろんな劇場でブレードランナー2049が公開終了になってしまっているようで、うーん、残念きわまりない。とはいうものの、一方でまあ仕方ないか、という気もする。 ぼくは映画小説について、予備知識なしで見ようとは思わない。オチがとか、ネタバレとかいうので騒ぐのは愚かしいと思っている。事前の情報をなるべく遮断して白紙の状態で見たいという気持ちはわからないでもない一方で、まあ完全に白紙で見るのはどうしたって無理なんだし(そもそもその映画を見に行こうと能動的に思う時点で色はついてるよね)、いろんな人の見解で事前にあれこれ想像するのもきらいではない。 ということで、今回のやつについてはいろんな人の意見を事前に見た。で、ご存じの通り、ブレードランナー2049は、評論家ウケは大変よかった。長いけれどすばらしい、続編のプレッシャーを見事にはねかえし、独立した作品として云々、さすがビル

    ブレードランナー2049を見てきて…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    rgfx 2017/11/20
  • 自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    翻訳についての人の感想は様々だ。そして翻訳がちょっと面倒なのは、それが訳者だけのオリジナルではないからだ。原文があって、それをもとに翻訳は行われる。ある訳文があって、それがある読者にとっては読みにくいと思えた。それはだれのせいかといえば……訳者のせいかもしれない。でももう一つ、原文のせいかもしれない。 その昔、ウィリアム・バロウズを訳しはじめた頃(というのは前世紀末)、ちょうどネットが出てきた頃で、だれかに「翻訳がひどい、日語になっていない」という感想を書かれたおぼえがある。いやあ、それはですねえ、もとの文がまともな英語じゃないんですよ。カットアップですから。だからその翻訳が日語になってないのは、むしろ忠実な訳ということなんですよ、と思ったっけ。ぼくはかなり原文に忠実な翻訳者なのだ。だから翻訳文が読みにくいとしても、それは往々にして原文の反映だったりする。 そういうと、意外に思う人もい

    自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    rgfx
    rgfx 2017/11/15
    「女性の会話を何でも女言葉に翻訳してしまう文化」みたいなアレ。